フリーランス向け!消費税を払う条件・計算方法・還付時期


フリーランスが消費税を払わなければいけない条件

フリーランスが消費税を払わなければいけない条件は、その年が開業何年目かにより異なります。具体的には、以下の通りとなります。消費税を支払うことになった個人事業主は、課税事業者となります。なお相続を受けた場合を除き、消費税税抜きの売上高(以下、課税売上高と称します)が毎年1,000万円以下の場合は、消費税の納税は必要ありません。

個人事業主である父親が亡くなった場合等で事業の相続を受けるような事例の場合、相続した個人事業主は開業した年であっても課税される場合があり悩ましいものです。さらに相続人が分割して事業を相続することもあります。この場合、対象となる課税売上高は父親個人の課税売上高ではなく、相続した割合だけが対象となります。

例えば1,000万円の事業を50%の割合で相続した場合、以下の計算で用いる「被相続人の課税売上高」は1,000万円ではなく相続した割合に基づき500万円とみなして計算します。

開業した年の場合

相続を受けた場合を除き、納税の必要はありません。相続を受けた場合でかつ被相続人(亡くなった方)の前々年の課税売上高が1,000万円を超える場合は消費税の納税義務が発生します。

開業翌年の場合

前年の1月1日から6月30日の間の課税売上高が1,000万円を超えた場合は消費税を納税しなければなりません。相続を受けた場合は、この金額には被相続人の課税売上高を含めて計算しますので注意して下さい。

開業3年目以降の場合

前々年の課税売上高、前年の1月1日から6月30日の間の課税売上高どちらかが1,000万円を超える場合は、消費税の納税義務が発生します。

消費税の計算方法

ここから、個人事業主における消費税の計算方法について解説していきます。

税額

消費税及び地方消費税の計算方法は、本則による計算方法の他、簡易課税制度を用いて計算する方法があります。個人事業主は、(1)(2)両方の条件を満たす場合に簡易課税制度を利用することができます。

(1)課税期間の前々年又は前々事業年度の課税売上高が5,000万円以下であること。

(2)納税地を所轄する税務署長に対し、原則として前年の税務署最終営業日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出していること(但し、郵便として発送する場合は前年の大晦日までの消印があれば提出したものとみなされます)

この「消費税簡易課税制度選択届出書」を出し忘れるフリーランスの方はあるようで、Webでの質問でも時折見かけます。あくまでも簡易課税制度は特例ですので、届出書を期限までに提出しないとこの制度の対象となりません。注意して下さい。なお簡易課税制度を選択した場合、消費税簡易課税制度選択届出書提出から2年間は、本則による計算方法で算出した方が安価であったとしても簡易課税制度で算出した税額により申告しなければなりません。

但し、当該年度の課税売上高が5000万円を超えた場合は本則による計算方法により税額を算出します。したがって、フリーランスであっても、課税売上高の金額には注意が必要です。

本則による計算方法

以下の方法により、消費税と地方消費税それぞれの金額を算出します。算出した額がプラスになる場合は100円未満の端数を切り捨て、マイナスになる場合は還付となりますので1円未満の端数を切り捨てます。なお、マイナス1円未満となる場合は還付額1円とします。算出後、消費税と地方消費税それぞれの税額を合算します。この額が納税額となります。

消費税の計算

以下の手順により税額を算出します。なお、課税売上高及び課税仕入高とは消費税及び地方消費税に相当する額を含まない税抜きの価額です。

(1)課税対象年1年間の課税売上高に6.3%を掛けた額を算出します。

(2)課税対象年1年間の課税仕入高に6.3%を掛けた額を算出します。

(3)(1)の額から(2)の額を差し引いた額が消費税額です。

地方消費税の計算

消費税額に63分の17を掛けた額が税額です。

簡易課税制度による計算方法

以下の方法により消費税と地方消費税それぞれの金額を算出します。両方を合算した額が納付すべき税額となります。

消費税の計算

簡易課税制度は、課税仕入額を課税売上高の一定割合とみなして消費税額を算出することができる制度です。したがって、仕入時に支払った消費税額もみなし課税仕入額に基づき計算されたものとなります。これを仕入控除税額といい、以下の式により計算します。

仕入控除税額=(課税売上高に対する消費税額-売上に係る対価の返還等の金額に係る消費税額)×みなし仕入率

ここで、(1)「売上に係る対価の返還等の金額」とは、返品、値引き額、リベート、販売奨励金等をいいます。(2)みなし仕入率は簡易課税制度の事業区分として、業種により下記のように定められています。詳細については国税庁ホームページ「No.6509簡易課税制度の事業区分」http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6509.htm をご参照下さい。

  • 90%…第一種事業(卸売業)
  • 80%…第二種事業(小売業)
  • 70%…第三種事業(製造業等)
  • 60%…第四種事業(その他の事業)
  • 50%…第五種事業(サービス業等)
  • 40%…第六種事業(不動産業)

続いて、課税期間中の課税売上高に6.3%を掛けた額を算出します。この額から仕入控除税額を差し引いた値が国税として納めるべき消費税額となります。

地方消費税の計算

消費税額に63分の17を掛けた額が税額です。

消費税の申告方法と時期

申告方法国税庁「確定申告書等作成コーナー」を用いる

この方法が最も簡便です。ITフリーランスならばIT機器を使いこなせるという観点でもこの方法は適しています。作成後はe-Taxによる電子申告の他、印刷して住所地を管轄する税務署の窓口または郵送することにより提出することができます。

税務署の時間外投函箱に投函することにより提出することもできます。税務署によっては確定申告のための特設会場を設置している箇所も多く、この場合は会場に出向いて提出することもできます。

税務署や各自治体から申告用紙を入手し、手書きで提出する方法もあります。この場合は税務署に郵送、窓口で直接、時間外投函箱投函のいずれかで提出することとなります。

申告時期

申告時期についての解説です。

確定申告の場合

申告期限は3月31日までとなっています。原則としてこの日までに税務署に書類が提出されている必要がありますが、郵便物等、信書便として送付された場合は期限日の消印があれば申告期限内に提出されたものとして取り扱われます。なお、「ゆうパック」「ゆうメール」「ゆうパケット」「クリックポスト」は小包扱いですので、申告書の提出には利用できません。

中間申告対象者の場合

フリーランスでも消費税額が48万円を超える場合は、中間申告の対象となります。個人事業主扱いとなる場合、期限は以下の通りとなります。

(1)税額が400万円以下の場合 1~6月分を8月31日まで

(2)税額が400万円超から4,800万円以下の場合 1~3月分は5月31日、4~6月分は8月31日、7~9月分は11月30日、10~12月分は翌年3月31日

(3)税額が4,800万円超の場合 月末の翌日から2か月以内(但し、1~3月分は5月31日、12月分は翌年3月31日)

納税の期限

納付期限は申告期限と同様です。但し確定申告の場合、期限内に申告した場合かつ振替納税を利用する場合は4月25日が振替日となっていますから、この日までに引き落とし口座に必要な金額を用意しておけば良いこととなっています。

消費税の還付を受ける方法と時期

ここからは、還付を受けるための条件について詳しく解説していきます。

還付の対象者

私達が物やサービスを購入する時は、消費税と地方消費税を支払っています。同じようにフリーランスのような個人事業主も仕入れの際には消費税と地方消費税を支払っています。この税額は、売上げに対する消費税と地方消費税の額から控除することができます。還付を受ける個人事業主は、以下(1)(2)のいずれかに該当していなければなりません。

(1)「1:フリーランスが消費税を払わなければいけない条件」(課税事業者)に該当し、消費税を支払う場合

(2)課税事業者となることを選択した者

従って、免税事業者など(1)(2)いずれにも該当しない事業者は、消費税の還付を受けることはできません。

該当する事例

ところで、ITフリーランスのような個人事業主においても消費税の還付を受けられるケースはあるのでしょうか。ポイントは、「売上等により預かった消費税額<仕入等で支払った消費税額」となることです。以下のようなケースが考えられるでしょう。

(1)業務を行う際に、多額の設備投資を行った場合サーバやネットワーク機器等、業務に必要な投資を行った場合が該当するでしょう。またはフリーランスであっても事務所を建てる、購入するケースもあるかもしれません。多額の消費税を支払う訳ですから、消費税の還付を受けるケースに該当し得るでしょう。

(2)物品販売を行っている場合ITフリーランスといえどもデスクワークしか行ってはいけないという決まりはありません。人によっては、物品販売をしていることもあるでしょう。この場合、年始早々に大量の物品販売が見込めるため年末に大量の商品を仕入れたというようなときは、仕入で支払った消費税額の方が多くなることはあり得ます。もちろん販売不振により大量の在庫を抱えたため消費税の還付に至るというケースもあるでしょう。

還付を受ける方法

「3-1.申告方法」記載の方法により、申告を行います。還付額があるかどうかは申告の時点でわかります。「4-1.還付を受けるための条件」にあてはまる場合は、申告書記載の銀行口座に振り込まれます。

還付時期

税務署は申告書及び添付書類の審査を行ってから還付処理を行っていますので、提出当日や数日後に還付されるというわけにはいきません。特に2月・3月の確定申告の時期は大量の申告書が提出されますので、還付までには1ヶ月から1ヶ月半の期間を要することがあります。

このような時期においてもe-Taxで申告すると3週間程度で処理されていますので、急ぐ場合には活用すると便利です。ITフリーランスであれば、積極的に活用したい方法です。

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