フリーランスが加入できる年金・お得な制度3つ・年金の手続き


フリーランスが加入できる年金

これまで会社員として働いていた方であれば、税金や保険、年金といった支払うべきものは全て給与から差し引かれていたので、年金を支払わなければいけないという義務感を強く意識していた方は少ないかもしれません。

とはいえ実際のところ、年金は20~60歳までの方であれば必ず加入すべきもので、年金保険料もその間は支払いを義務付けられているものです。会社員の方であれば「厚生年金保険」、公務員であれば「共済年金」、それ以外の方は「国民年金保険」というように、職業によって加入すべき年金は変わってきますが、フリーランスの方はどの年金に加入すべきなのでしょうか。

答えは「国民年金保険」です。他に選択肢はなく、この国民年金保険には必ず加入する義務があります。

日本の年金の仕組みとして「3階建て」という言葉を聞いたことがある方も多いかと思いますが、この3階建てのうち、国民年金保険は1階の部分にあたり、「基礎年金」とも言われています。

そのため、会社員の方であれば2階部分にあたる、厚生年金への加入となるため、国民年金だけに加入している方と比べて保険料は約2倍になりますが、会社と折半での支払いとなるため、保険料が収入を極端に圧迫するという事はありません。

更に公務員であれば、3階部分にあたる共済年金が上乗せされるという仕組みになりますが、これらの仕組みにより、支払う保険料に差が生じるのと同時に、将来受け取れる年金額にも大きな差が出てきます。

平成29年の時点で、国民年金保険料は16,490円となっており、今までに給与明細で見たことのある2万円以上の厚生年金保険料に比べて安い事はお分かりいただけるかと思います。

しかしながら、それに対して実際に年金保険料をしっかり払ってきた方で満額で受け取れる平成29年の年金額は
国民年金加入者:64,941円
厚生年金加入者:221,277円
となっており、3倍以上の差がある事が分かります。

年金についてあまり考えたことが無く、初めてこの数字を知った方の中には驚かれる方も少なくないとは思いますが、今回、フリーランスとして働くにあたって、この少ない年金額になることを覚悟のうえで働かなければいけないのかといった事や、実際の年金保険料の支払い事情についてなどを詳しく解説させていただきたいと思います。

国民年金が免除される条件

国民年金保険料は60歳未満の方であれば必ず支払うものとご説明させていただきましたが、ご自身の事情によっては免除される事もあります。年金保険料の免除には大きく「法定免除」「申請免除」の2種類に分けられます。

法廷免除というのは、生活保護を受けている方や障害年金を受け取っている方が利用できる制度ですので、フリーランスの方で生活保護を受けている方はほとんどいらっしゃらないかと思いますので、ここでは省略させていただきます。

では、申請免除というものについてですが、こちらは収入が少なく、年金保険料を納めることが難しい時に申請できる制度となりますが、前年度の所得によって全額免除になるのか、少額免除になるのかはといった違いがあります。
また、誰でもこの申請を出せるわけではなく、前年度の所得が以下に該当する、厚生年金に加入していない人ということが条件となります。

前年所得の所得金額別の免除範囲

  • 全額免除:前年度の所得金額が「 (扶養家族の数+1)×35万円+22万円」以下である場合
  • 4分の3免除:前年度の所得金額が「78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額」以下である場合
  • 半額免除:前年度の所得金額が「118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額」以下である場合
  • 4分の1免除:前年度の所得金額が「158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額」以下である場合

フリーランスとして働き始めた当初は、収入が少ないといったケースも十分に考えられますので、毎月の年金保険料の支払いが苦しいという方は、申請を出す事をお勧めします。

一番良くないのは、支払いができないからといって、未納を続けてしまう事です。免除を受ける事となると、将来の年金の受給額は低くなることは事実ですが、少なくとも国庫から支払われる年金分は受け取ることができます。

逆に、未納を続けて受給条件を満たさない場合は、受給額が0円になるばかりか、滞納している年金保険料に延滞金が付く上に、場合によっては財産の差し押さえになる可能性十分に考えられますので、未納という事が一番良くないという事はご理解いただけるかと思います。

国民年金の保険料は控除の対象になる?

さて、フリーランスとして働き始めるとなった場合、国民年金に加入する事が必須とご説明させていただきましたが、フリーランスの方や個人事業主として働かれている方にとっては忘れてはならない事があります。

それが、「国民年金保険料を所得税や住民税などから控除できる」という事です。

どういった事かというと、住民税や所得税というのは所得金額に対して一定の税率を掛けて算出するものですので、フリーランスとして得た収入から控除できる金額が多くなれば、税率を掛ける元となる所得が低くなるわけですから、結果的に税金が安くなるというメリットに繋がるのです。

今まで会社勤めをされていた方であれば、厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険など様々なものが勝手に控除されて、そこから算出された税金も自動的に給与明細の総支給額から差し引かれます。

その結果として得られる手取り金額で、1カ月の生計を立てられていたかと思うので、特にこういった控除について深く考えたことがないかたも多いかとは思います。しかしながら、フリーランスや個人事業主の場合、こういった控除は自動で行われるわけではありません。

つまり、確定申告の際に、しっかりご自身の年金保険料を所得から控除して住民税や所得税を計算していかないと大きな損になることもあり得るのです。

平成29年の国民年金保険料は16,490円であるとは冒頭でご説明させていただきましたが、要は1年間この国民年金保険料をしっかり納付したとするなら19万7,880円という金額になりますので、それをそのまま所得から控除できれば税金を安くすることも可能です。

仮に国民年金保険料を控除する前の所得が500万円だとするなら、所得税は58万円前後になりますが、500万円から保険料を控除した約480万円を所得として計算すると約53万円となり、5万円近くの節税になります。
税率は違いますが、この制度を住民税や健康保険税にも適用する事ができますので、結果的に税金はもっと安くすることができるのです。

こういった制度を存分に利用していかないと、10万円単位での損をすることになりますのでしっかり把握しておきましょう。

フリーランスが利用するとお得になる制度

上記までに、国民年金保険料を社会保険料控除として所得から差し引くことができると申し上げましたが、資金に余裕がある方にはもう一つお得になる制度があります。

それが「前納」という制度です。
簡単に申し上げますと、予め決まった期間の年金保険料をまとめて支払いをする事で割引が利くようになるというものですが、前納には6か月分の前納、1年分の前納、2年分の前納といった3種類に分かれ、更に「口座振替」か「現金・クレジットカード払い」かによって割引額に多少の差があります。

尚、平成29年度の前納の種類と期間別の納付額と毎月支払いをした時との差額(割引額)は以下のとおりです。

口座振替の場合

6カ月分納付97,820円(割引額1,120円)
1年分納付193,730円(割引額4,150円)
2年分納付378,320円(割引額15,640円)

現金、クレジットカード払い

6カ月分納付98,140円(割引額800円)
1年分納付194,370円(割引額3,510円)
2年分納付379,560円(割引額14,400円)

金額的に見るとさほど大きな金額に見えないかもしれませんが、最大でも毎月651円の差があると考えると、ランチ1食分くらいにはなりますから、長い目で見ればお得であることは間違いありませんし、クレジットカードによっては、約38万円の支払いを行った分のポイントが付くなどの可能性がありますので、それはクレジットカード会社の規定と実際にクレジットカードで国民年金保険料を支払った場合のポイント数などを確認してみると面白いかもしれません。

また、フリーランスの方は国民年金にしか加入できないと申し上げましたが、いざ受給年齢になった時に約6万5,000円ほどの年金額しかもらえないという事になります。6万5,000円では到底1カ月の生活を豊かに過ごすという事はできませんが、他に方法はないのでしょうか。

実は、国民年金には更に積み立てられるお得な制度があります。
しかもこの積み立てられる制度自体も、社会保険料控除として認められいるため更にお得感が増します。
国民年金に更に積み立てられるお得な制度をご紹介させていただきます。

1:付加年金制度

国民年金の保険料に少額を上乗せする事で、将来的に受給できる年金額を増やすことができる制度です。実はこの付加年金制度ですが、将来的な目線で見た時に非常にお得になる制度なのです。

具体的には、毎月の国民年金の保険料に400円をプラスして納付する事で、将来の受給額を大幅にアップする事ができるものですが、これによって将来受給できる金額は「200円×納付月数」という簡単な計算で成り立ちます。

つまり、20歳から60歳までしっかり国民年金保険料も付加年金保険料も支払っていたとするなら「40年=480カ月」ですので、総支払額は「400円×480カ月=192,000円」となります。

それに対し、受給額は「200円×480カ月」ですので、年間で「96,000円」の受給を受けられることになりますので、たった2年で元が取れることになります。
結果的にこの96,000円という額と、基礎年金の64,941円を合わせれば約16万円の受給額となるため、非常にありがたい制度だと言う事ができます。

尚、注意点として、この後お話しさせていただく「国民年金基金制度」に加入されている場合は、この付加年金制度は利用できないため、予め把握しておきましょう。

2:国民年金基金制度

毎月の収入に余裕があって、付加年金制度に加えて更に上乗せできるのが「国民年金基金制度」です。年齢によって掛け金は変わってきますが、おおよそ1万5千~2万円となります。この掛け金を一口として、2口目以降は5千~1万円ずつで上乗せして掛け金を上乗せしていけるようになっており、最大で68,000円まで掛け金を増額する事ができます。

そして、気になる保険料ですが、こちらも掛け金や男女の別、加入年数によって変わってきますので一概には申し上げられませんが、もし20歳の男性が終身年金A型に一口だけ加入したとすると毎月の掛け金は7,200円ほどとなり、総払込額は350万円程度になります。

それに対して65歳になってから受け取る年金は毎月2万円が老齢年金(国民年金)の受給に上乗せされることになりますので、長生きすれば長生きするほどお得になるという計算となります。

仮に同じ条件で35歳からの加入ですと、毎月の掛け金は約1万円となりますが、受給額はやはり1万5,000円ほどとなりますので、国民年金基金への加入を考えられるのであれば早めの方が良いと言えるでしょう。

3:確定拠出年金

一時期話題になった「401k」というのを覚えていますでしょうか。
若年層ですとあまり聞きなれない言葉かと思いますが、国民年金基金と併用して加入できる年金制度で、企業型と個人型とで分かれます。
フリーランスや個人事業主の場合は個人型に加入する事となります。

尚、確定拠出年金は付加年金や国民年金基金制度とは違い、一定の掛け金を自分で投資運用していく形となるため、「毎月〇〇円の掛け金で、将来○○円の受給があります」と決められるものではありません。
運用の結果、大きく資産を増やすこともできますが、目減りしてしまう可能性もあるため、しっかりと何に投資をしていくか、どこの会社で運用していくかという事を決める必要があります。

つまり自己責任を前提に運用して、将来に備えていくのが確定拠出年金なのです。

掛け金も商品によって違いますが、国民年金基金と併用しても最大で68,000円となっており、平均的には15,000円前後の掛け金にされている方が多いようです。
この掛け金に対しての将来の受給額はご自身の運用次第ですので平均としてどのくらいになるという事もできません。

改めて申し上げますが、ご自身の責任で運用していくものですので将来の受給額の増減はどうしても発生しますが、社会保険控除にこの確定拠出年金を入れられる事も一つのメリットとして把握されると良いかと思います。

会社を辞めてフリーランスになる時に必要な年金に関する手続き

ここまで、フリーランスや個人事業主の方が加入すべき国民年金についてと、その他に加入できる年金制度や保険料の免除と控除などについてご説明させていただきました。

では、いざ会社をやめてフリーランスとして働く事となった時、どのような手続きをすればよいのでしょうか。ここまで、色々と難しい話をさせていただいたので、手続きも面倒なのではないかと思われるかと思いますが、実は意外にも年金の切り替え手続きは簡単なものです。

退職した日から14日以内に「年金手帳」と「退職した日付が分かる物」、「印鑑」を持ってお住いの市区町村の役所に持っていって簡単な手続きをするのみです。退職した日付が分かる物とは、社会保険の資格喪失証明であったり、退職証明書といったものが該当します。

そして後日、年金の納付書が送られてくるため、後は国民年金としての納付をその納付書で済ませるのみとなっています。

年金が払えない場合はどうするのか

もし、会社を退職してフリーランスとして働き始めたとしても、すぐに収入の見込みがあるとは限りません。会社員の頃からコネクションや安定収入を作ることができていれば、退職後もある程度の収入は得られるかもしれませんが、もしその安定した収入源が無くなってしまった時、またフリーランスとして働き始めてからすぐに仕事がオジャンになってしまったなどの事も可能性としては0ではありません。

少々縁起でもないようなお話になってしまいましたが、そういった事態に陥った時に、今回の国民年金や様々な税金の事が心配になるかと思います。

特にそういった事を想定して作られたわけではありませんが、国民年金には「国民年金保険料納付猶予制度」というものがあり、国民年金の免除の項でもお話させていただいたのと似た制度があります。

詳しい内容は以下のとおりです。

納付猶予制度:前年度の所得金額が「(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円)」以下である場合

尚、免除の制度と明らかに違うのは、免除であれば免除された期間内に年金保険料を支払っていなくても少ない金額ながら年金受給はされるのですが、納付猶予制度についてはその理屈が通用しません。つまり、「支払いを待っててもらった」ということが前提となるため、支払い義務がある事には変わりありません。

また、猶予された保険料は10年以内であれば後納付ができますが、それを過ぎてしまった場合は単なる未納という扱いになりますので、その代わり将来受け取れる受給額はその分は減ると考えた方が良いでしょう。

家族の年金も支払わなければいけないのか

ようやく年金の事も分かってきて、勤めていた会社を退職して年金の手続きも、どのような年金制度を利用すればよいのかということも明確になってきた頃かと思いますが、もう一つ考えなければいけない事があります。

特にこれまで会社勤めであった方の中で、ご結婚をされている方には重要な事です。

会社勤めをされていれば、給与から勝手に健康保険や年金が差し引かれている事は既にお話させていただきましたが、その中に家族の年金も含まれていたことをご存知でしょうか。

正確には、ご自身の厚生年金の支払額に家族の分まで含まれていたわけではなく、厚生年金側が扶養となっている人の分まで支払いをしていてくれるので、将来的に扶養家族も年金を貰えるという仕組みになっているのです。

しかしながら国民年金の場合、この第三号被保険者、つまり「働く夫の妻であり扶養である」という概念がないため、国民年金の制度から見て、扶養だという事には何の効力もメリットもなく、扶養家族も国民年金の支払いを行う必要があります。

昔と違い、主婦である女性も積極的に働きに出るようになった今では「103万円の壁」というように、扶養の範囲で稼げる収入について耳にされた事もあるかと思いますが、103万円であろうが、130万円であろうが国民年金の保険料を納める必要があるのです。

この家族の分まで年金を支払う必要があるかどうかについては、ご家庭での事情によるためお話合いが必要になるかと思いますが、まずはこれまで夫が会社員であったことで受けられた「扶養」という概念は、少なくとも国民年金や国民健康保険といった制度の中では、もはや通用しくなると考えていただいた方が良いかと思います。

こういったお話をすると、つい「じゃあ会社員でいる方がお得だ。フリーランスなんて馬鹿な考えはやめよう」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、会社員時代に年金として引かれていた金額を思い出してください。

20~30万円ほどの月給であれば、2~3万円ほどの厚生年金額として支給額から控除がされていたかと思いますが、もし現在、ご結婚をされて専業主婦である奥様が配偶者がお一人だけなのであれば、16,490円を2人分支払うことになりますので、確かに毎月の出費としては少々痛いところではあります。

しかしながら、せっかくフリーランスとして新たな人生を歩もうという時に、ウン千円~1万円ほどの負担増を理由に諦めてしまうのも少々勿体ない気もします。

今回は年金だけのお話ですので、この負担増は大きく見えますが、稼ぎ方の幅やフリーランスならではの節税対策も含めると、実はそこまでの負担ではないかもしれません。そういった点を含めて、この家族の分の年金が増えるという事についてご理解されるのが良いかと思われます。

年金の知識をつけて、「MidWorks」を利用してフリーランスとして働こう

このサービス、独立をしてフリーランスで働く人の強い味方となってくれる、「Midworks」をご存知でしょうか。

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