フリーランスの請求書の書き方と例|請求内容/発行日/振込先など


フリーランスの請求書の書き方

会社員を辞めて、本格的にフリーランス働き始めますと、継続的な取引が決まっていれば良いのですが、単発の依頼が多い職種ですと、案件ごとに契約書や請求書、納品書など発行しなければならない場合もあり、少々面倒に思うことはあるかもしれません。

もちろん仕事ですので面倒と思ってはいけないのですが、とはいえ、これらの書類の作成に慣れていなければ、毎回書き方に悩んでしまい、仕事に費やせる時間を書類の作成にとられてしまう結果となり、本来の仕事に支障をきたすこともあるかもしれません。

これらの書類は全て大事なものではありますが、請求書に至っては、受注した当初の契約内容どおり仕事を行なった後、その内容に沿った対価をクライアントに請求するものですので、こういった機会に是非書き方を覚えたいところです。

この請求書の書き方を、ある程度でも身に付けておければ、取引がスムーズになり、仕事の効率もアップしますので、ここでは請求書の書き方や相手に請求書を提示する場合に気を付けたい事など、書き方の例を踏まえて解説させていただきます。

あて先

請求書に記載するあて先は、法人向けと個人向けで違いがあります。
その主な違いが「様」と「御中」という敬称の使い分けです。

手紙を送るときに、住所と氏名、会社なら会社名や部署を書きますが、宛先に「様」や「御中」を付けられているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。実は請求書についてもあの要領同じです。

「様」を使用するのは、あくまで個人向けの書類に記載するものであり、会社名と担当者名を書くときについては最後に「様」を付けます。よって、特定の会社や部署に書類を送る場合は、「御中」を付けることになります。

では、会社名と部署名に対して、担当者名をも記載する必要がある場合は「〇〇株式会社 △△部御中 □□様」と記載すべきでしょうか。実はこれはNGです。

このように、会社名や部署名、そして担当者名の両方に敬称を付ける事を「二重敬称」と言う事もあり、間違った使い方になりますので気を付けましょう。

つまり、取引先の担当者へ請求書を送付するときは「〇〇株式会社 △△部 □□様」、取引先に決まった担当者がいないなどの場合は「〇〇株式会社 △△部 御中」という記入の形になります。

請求内容

宛先についての記入方法に続いては、請求内容の書き方です。
請求内容に関して特にルールはないのですが、職種によって記載内容が変わるということもあり、念のため記入すべき事は確認しておきましょう。

・品名
品名とはいわゆる、代金を受け取る代わりに提供したサービスの内容です。
つまり、取引内容ですが、請求書によっては、「品目」「商品名」「品番」「摘要」といった種類があります。

記入内容としては、WEBデザイナーであれば「デザイン料」、ライターであれば「原稿料」、ITエンジニアであれば「コンテンツ制作費」や「システム開発費」といったように、実際に請け負った業務内容を記入します。

・数量、単価、金額
ライターの方であれば記事数、WEBデザイナーであればページ数などを数量として記入し、その単価と合計金額を記入します。しかしながら、総合的なシステム構築などを行うITエンジニアなどの方については、仕事を数量で表すことが難しい場合もあるかと思います。

そういった場合は、数量の部分に「一式」と記入しても良いですし、特に内訳について予め取り決めなどが無い場合は単純に「1」と記入しても問題ありません。ただし、請求書の中でも最も間違いがあってはいけない数字の並ぶ場所ですので、気を付けて記入しましょう。

消費税の表示

消費税は、「内税」と「外税」の違いがありますので、どちらで記載すべきかはクライアントからの指示によって記載方法を変える必要があります。ただし、一般的には単価の部分には税抜き金額を記載して、別枠に合計の消費税額を記載するのが一般的です。

また、消費税を請求するという事は、自身の仕事に対して請求できるものであって、仮に消費税の免税事業者であっても請求する事はできます。免税事業者とは、設立から間もない事業者で、資本金が1,000万円以下で売上高が1,000万円以下の場合は消費税を免税される制度ですが、そもそも消費税とはサービスや商品の売買において発生するものですので、免税事業者だから請求してはいけないという事はなく、むしろ請求すべきものであることを覚えておきましょう。

発行日

発行日についても少々注意が必要です。発行日は「請求書を発行した日」というそのままの意味ではありますが、クライアントによっては会計処理上の都合により「締め日」を発行日にしてほしいという希望がある事もあります。

「仕事をして報酬を貰っているのだから、発行日だけの事でそんなに問題だろうか?」

そんな風に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば取引先の締め日が毎月末日だとして、翌月1日を発行日としたときに、相手先にとっては予定していた末日の出費が翌月にズレたことによる会計上の変更に繋がります。

つまり、費用の計上月がズレる事により翌月の予算変更という事態にもなりかねませんので、先方の都合も考えて、指定された日の発行日とすることを軽く考えてはいけないのです。

書類の発行者

書類の発行者については、一般的な記載方法のみであり、記載内容の間違いさえなければ特別にルールがあるわけではありません。フリーランスの方であれば、屋号、代表者名、事務所住所、連絡先、FAX番号、メールアドレスなどを記載します。

稀に、別の記載内容にしてほしいという依頼があるかもしれませんが、確定申告の際に支障が発生する場合もありますので、発行者の内容の変更はあまりオススメはできません。

振込先

取引に報酬を振り込んでもらう口座の「銀行名」「預金種別」「口座番号」「口座名義」を相手に明記します。

ここで予め決めておきたい事としては、振込手数料をどちらの負担にするかという事です。

一般的には、振り込みをしてもらう先方負担とすることが多いのですが、予めの取り決めによってこちらが負担するとなった場合であっても、振り込みの際にどちらが負担するのか選択できるようになっていますので、請求書の金額を振込手数料分を差し引く必要はありません。

また、振込金額が先方負担となっている場合は、一言「振込手数料はご負担くださいませ」と付け加えておくと印象が良いかと思います。また、振込先については、お金の絡むお話ですので誤記載については気を付けましょう。

そもそも、請求書だけではなく、各書類の誤記載には気を付けなければいけないのですが、振込先については取引の相手に損失を与えてしまう可能性があるため、特に注意する必要があります。

振り込みの際は手数料が生じますが、振り込み手続きに対して銀行に支払う手数料ですので、たとえ間違った振込であったとしても返金はされません。

また、間違った口座内容だった場合には、振り込みできないという事で返金されますが、万が一実際に存在する全く別の口座に振り込みされてしまった場合は、「組み戻し手数料」といって、振り込み手数料よりも高い手数料が発生する事となりますので、各手数料をクライアントが負担するのでも、こちらで負担するのでも大きな損失になりますので、振込口座の誤記載には十分注意しましょう。

請求書番号

請求書を受け取ったことがある方は、目にしたことがあるかもしれない「請求書番号」ですが、「はて?これは何の数字だろう」と思った事があるかもしれません。

実はこの請求書番号は、請求書を受け取った側からするとあまり意味のあるものではありません。これは基本的に、請求書を発行する側で管理する通し番号であり、請求書を渡す相手にこの番号で何かをしてほしいというものではありません。

ただ、請求書を管理する意外の用途が無いわけではなく、取引先のクライアントから請求書についての問い合わせや確認があった場合などについて、食い違いを防ぐために請求書番号を使用する事もできます。

絶対に書いておかなければいけないものではありませんが、あると便利な管理番号として覚えておくと良いかもしれません。

請求書の書き方の例

ここまで、請求書の書き方についてご説明させていただきましたが、各項目について細かく説明させていただきましたので、請求書の全体像をイメージできないかもしれません。そこで、請求書に書くべき事を以下のとおり、一覧としてご説明させていただきます。

・書類名
請求書

・クライアント情報
〇〇株式会社 △△部 □□様

・請求金額
下記のとおりご請求申し上げます。 請求金額○○円

・請求書の発行者情報
○○プランニング 代表 △△太郎 123-1234 東京都新宿区西新宿○○-○○
TEL:03-○○○○-〇〇〇〇
FAX:03-△△△△-△△△△
Mail:abcdefg@□□□.com

・品名
ホームページ制作料

・数量
2

・単価
100,000円

・金額
200,000円

・小計
200,000円

・消費税
16,000円

・合計
216,000円

・振込先
振込先:○○銀行 △△支店(支店番号□□□) (普通)1234567 ○○プランニング ダイヒョウ △△タロウ
※誠に勝手ながら、振込手数料についてはご負担をお願い致します。

請求書に押印は必要なのか

さて、おおよそ請求書の書き方はご理解いただけたかと思いますが、ここからは一般的に請求書の書き方の疑問として多く聞かれるものについて少々ご説明させていただきます。

まず、請求書の発行者の欄に押印をする必要があるかどうかです。

冒頭にもお話しさせていただいたとおり、世の中には請求書以外にも、契約書、納品書、領収書など取引の途中で取り交わす書類は多々ありますが、発行者の欄に角印が押印されているのを見たことがあるかと思います。実はこの押印についてですが、絶対に必要な物ではありません。

ではなぜ、押印をしている会社が多いのでしょうか。

これは、その会社が発行した「正式な書類である」という事を書類を渡すために必要なのであって、法的な決まりがあるわけではないものの、会社のルールとして押印しているところが多いのです。実際のところ、法人に勤めている経理の方で押印をする意味を分からないまま、何となく義務として、指示どおりに押印している方もいらっしゃるようです。

フリーランスの方の場合、角印の用意が無いにも関わらず押印を求められることもあるかと思いますが、そういった時は、クライアントにその旨を伝え、三文判で良いかという了承を得て押印すれば問題ないでしょう。

尚、もし角印を所有していて、押印されるのであれば、発行者名に少し被る位置で押印するのが一般的です。

請求書に源泉徴収は書くべきか

源泉徴収とは、雇い主が給与を受け取った者の代わりに所得税を納税する仕組みです。

何故このような仕組みがあるかというと、源泉徴収をせずに給与の支払いを行ったとしたら、国民全員が確定申告にて所得税を納税する事となり、その数を考えても膨大な数になります。

そこで、予め給与の支払者が、「あなたの代わりに納税しておきますね」ということで、納税額を差し引いた金額を給与として支払えるようにした便利な制度なのです。

この源泉徴収ですが、会社と個人だけではなく、もちろんフリーランスの方にも関係があるもので、請求書にも記載する必要があることを覚えておきましょう。
記載方法としては小計額の下に消費税と並べて記載する事が一般的です。

尚、源泉徴収には、給与を受け取る側の代わりに源泉徴収税を納める義務がある人のことを「源泉徴収義務者」という考え方があり、これは法人だけでなく、この源泉徴収義務者にフリーランスの方も含まれるのです。

具体的には、フリーランスの方であれば、仕事の発注者に対して報酬を請求する事になりますが、その請求額から源泉徴収額を引いて報酬を受け取る事になりますので、源泉徴収の記載漏れがないように注意が必要です。

なお、源泉徴収額は以下のように定められています。

  • 支払金額が100万円以下:支払金額 × 10.21%
  • 支払金額が100万円超:(支払金額 − 100万円)× 20.42% + 102,100円

ただし、フリーランスと一括りに申し上げましたが、源泉徴収とは主に給与から差し引かれるものと申し上げましたが、給与以外にも以下のように、フリーランスの方が受け取る報酬にも源泉徴収をする必要のあるものが定められています。

  • 原稿料、講演料
  • デザイン費用
  • 通訳・翻訳費用
  • モデル出演料
  • 芸能人出演料
  • ホステス、コンパニオンへの報酬
  • その他

この報酬の種類は、曖昧だと言われる事が多く、源泉徴収が必要なのか迷うような報酬内容の時は税理士などにご相談されることをお勧めします。

請求書はメールやFAXでもいいの?

では、請求書の書き方も学び、気を付けるべき点についても覚える事が出来ました。最後は実際に請求書を送る方法です。

請求書を相手に送るとなると、様々な方法が思いつくかもしれませんが、書類送付の方法として思いつくのは、主に以下のようなものではないでしょうか。

  • 郵送
  • メール
  • FAX

これら3つのうち、請求書を送付するのに最も適したものは何かというところですが、実は法的にも税務としても特に決められた送り方があるわけではないため、事実上、どういった送り方でも問題ないというのが答えとなります。

ただし、仕事を依頼してくれるクライアントとの取引の間でのことですので、気を付けなければいけない事はもちろんあります。

例えば、FAXで送った場合ですが、FAXならしっかり送付状も付けて、誤送信など絶対にしないように気を付ける必要があります。また、メールに添付して送る際はPDFファイルとして添付するのが望ましい形です。

これは、先方のPCのオフィス系ソフトの都合の事もありますし、Excelなどで送ってしまうと容易に数字の書き換えができてしまうなどのリスクもあるためです。

尚、FAXやメールで送ることは問題ないとは申し上げましたが、原本を保管する事を義務付けている事も多いため、送付に関しては「原本は不要である」という話が無い限りは、FAXなどで先に送付しておいて、後日原本を郵送で送るという流れを取ることが一般的です。

どちらにせよ、クライアントには送付の件を一度確認しておくと間違いないでしょう。

請求書のおすすめテンプレート

ここまで、文章として請求書のお話をさせていただいたため、いまいちイメージとしての請求書が思い浮かばない方もいらっしゃるかもしれませんが、フリーランスの社会保障支援などを行っている「Midworks」では、無料で試せるクラウド会計ソフト「freee」を提供しており、そのテンプレートが非常に分かりやすくシンプルですので、ご紹介させていただきます。

フリーランスとしての請求書は、まずこのような形を基本としていただければ特に問題ないと言えますので、実際の請求書の作成にお役立ていただければと思います。