フリーランスが法人化することの「メリット」と「デメリット」


法人化するメリット

個人事業主やフリーランスとして働いていらっしゃる方であれば、一度は「法人化(法人成り)」についてボンヤリとでも考えたことがある方は多いのではないでしょうか。

ご存知の方も多いかと思いますが、「法人」とは、一つの団体に人と同じ権利を与えることで、法の下で人として認められた存在であり、それに対して法人ではない個人の事を「自然人」と言います。

よって、法人として会社を起こすということは、団体の責任者となることであり、社会的責任が重くなりそうなイメージがあるかと思います。

では実際のところ、フリーランスや個人事業主としての収入が十分なものになってきたときに、法人成りをすべきなのか、そのまま個人事業主やフリーランスとして継続していくのかといった事を考えると、「そもそも法人化することのメリットって何?」という疑問が湧いてきます。

そこで今回は、フリーランスとして働いている方が、法人化して会社を設立することのメリットをご説明させていただきたいと思います。

法人化メリット①:社会的な信用が上がる

まず、社会的信用度については、個人よりも法人の方が段違いに高くなります。
個人経営の事業者のところに就職をしようと思う人はほとんどいませんので、人材確保の点では法人が有利と言えるでしょう。

また、取引先の開拓や交渉についても法人である方が信用に値するということで、継続的な仕事の受注や新規受注につながる可能性も高くなります。

法人化メリット②:様々な金銭面で有利になる

法人成りをしますと、その会社は社会保険に加入する事が義務付けられます。
フリーランスや個人事業の場合、国民健康保険に加入されている事が多いかと思いますので、家族を扶養に入れられなかったり、保険料が高くついてしまったりといった事がこの社会保険へ加入できることによって解消されるというのも大きなメリットと言えるでしょう。

また、経費として計上できる幅が広がるのもメリットです。ご自身の生命保険や交際費、ご自身や家族を役員にする事での給与など様々なものを経費にできるようになるのです。

更には、フリーランス時代には3年間しか赤字が繰り越せなかったものが9年間に伸びたりするなど、何かと金銭面での優遇が受けられる点については、法人成りの最大のメリットとなります。

法人化メリット③:金融機関からの融資が受けやすくなる

新事業の立ち上げで銀行などの金融機関からの融資を必要とする際は、やはり「社会的信用がある」ということから融資を受けやすくなると言われており、そういった点もまたメリットと言えます。

もちろん、絶対に融資を受けられるという事ではありませんが、フリーランスなどの個人事業で行っている確定申告に比べると、詳細な決算書によって事業の運営状況などが詳細に確認できるため、信用度が高くなり、結果的に融資を受けやすくなると言われています。

法人化メリット④:税制面でも有利になる

金銭面でのメリットもお話させていただきましたが、フリーランスや個人事業主の場合は収入に対しての税金が重くのしかかる経験をされた方も多いかと思います。個人事業主の場合で所得が900万円を超えると税率が33%なのに対し、法人の場合、高くても23.4%となります。

つまり、個人事業主の場合で高所得になればなるほど税率が高くなっていく仕組みに対して、法人税の場合は23.4%に留まるため、稼げば稼ぐほど法人税はお得になるという事なります。

尚、個人事業主が4000万円の所得があった場合、45%が課税されますが、法人であれば23.4%と半分以下で済むため、それを考えるとかなりの差になることがお分かりいただけるかと思います。

更に、資本金1億円以下の中小企業で、所得800万円以下の所得であれば、15%まで引き下げられる特例措置もとられているため、これら税金の面においても法人成りをするにあたってのメリットはかなり大きいものと言えるでしょう。

また、消費税についてもメリットがあります。個人事業主であっても、起業してから2年間は消費税の支払いをしなくてもよい場合があるのですが、法人成りをしてからであっても、資本金が1000万円未満であれば2年間の消費税の納付義務が免除される場合があるため、フリーランスとしての2年間と法人成りをしてからの2年間を合わせて4年間は消費税を支払わなくても良い事になります。

法人化メリット⑤:モチベーションがアップする

これは物理的なメリットではありませんが、重要な事です。
「代表取締役」「社長」「会社経営者」など、一度は名乗ってみたい肩書ではありませんか?

ここまでのメリットのお話でもお分かりかと思いますが、社会的な認識として、会社経営を行っている人というのは様々な面で信頼できる人という立場になる上、何となく「カッコいい」というイメージは昔から変わりません。

このことは、単に自己満足に留まることはなく、「よし!もっと会社を大きくしていこう!」というモチベーションの向上にもなりますので、法人として会社を経営していくには必要な事だと言えるでしょう。

法人化するデメリット

ここまで、法人成りをした時のメリットについてお話しさせていただきましたが、デメリットはないのでしょうか?
正直なところ、デメリットをデメリットと思ってしまえばモチベーションの低下に繋がりますのであまり考えすぎない方が良いとも言えますが、しかしながら、事実としてしっかり把握しておかなければいけない事もありますので、デメリットとして考えられる主な点をご紹介させていただきます。

法人化するデメリット①:社会保険料が高くつく

社会保険に加入できるのは、実はメリットでもありデメリットになる一面があります。社会保険料と言うのは、会社と社員での折半である事を思い出してみましょう。

会社員として働いていたころは、2~3万円程度が給与から差し引かれていたことを覚えていらっしゃる方も大可と思いますが、「社長」という肩書を持ったのであれば、それと同等の金額を社員の数だけ支払う必要が出てきます。

法人化するデメリット②:法人成りをする際の費用が高い

ここまで、当然のように「法人成り」という言葉が出てきましたが、法人成りをするにはそれなりの手続きが必要となります。

主なものとして、「定款に貼る印紙代4万円(電子定款なら不要)」「定款の認証手数料5万円」「謄本手数料2,000円前後」「登録免許税15万円(資本金により増減)」といったものがありますので、全てを合わせると法人成りのスタートで25万円近くかかることになります。

これらは法人成りをするにあたっては避けられないものですので、必ず必要になる開業資金として頭に入れておきましょう。

法人化するデメリット③:どんなに赤字でも住民税はなくならない

個人事業主であれば、その年が赤字なのであれば所得が0円以下という事になりますので、課税されても住民税は0円という事になりますが、法人の場合はその考え方が適用されません。

とはいえ、法人であればしっかり利益を上げられているからこその法人成りですのでさほど気にすることはないかもしれませんが、法人住民税の均等割という計算方法から年間で数万円かかります。

事業所のある住所によって少々前後はしますが、5万円や7万円というところが多いようです。これも絶対に0円になることはない税金ですので、念のため把握されていた方が良いでしょう。

法人化するデメリット④:会計や税処理の事務処理が多く、税理士への支払いが大きい

法人成りをすると、もう一つ避けて通れない事があります。それが「決算書」の作成と、先にも述べた「法人税の申告」です。

これらは専門的な知識を要し、更に事務処理としての作業量が多くなるため、時間や精神的な面でかなりの負担になる方も多いようです。

ただし、これらの負担を軽減するために税理士という存在があるのですが、税理士にこれらの処理を依頼すると20~30万円程度の費用が掛かるため、自分で処理するにしても税理士に依頼するにしても負担がある事に変わりありません。

法人化するデメリット⑤:会社の経営者としての責務の大きさ

こちらも物理的デメリットではありませんが、やはり大事な事です。
法人成りをし、規模が大きくなってくるとどうしても従業員を雇用する必要が出てくることもあるでしょう。

日本の人口が1億3,000万人に対して、法人と個人事業主の数は約400万となっていますが、つまり、この400万の会社経営者は、雇用する人たちの生活を支えるために経営を安定させ、しっかりと給与を支払う必要があります。

全ての経営者が従業員を雇っているわけではありませんが、少なくとも、従業員を雇ったのであれば、その人の生活を支えるという責任がある事を忘れてはいけません。

更に、経営者としての社会的責任は他にもあり、顧客に対して与えた損害だけでなく、悪意や過失により発生した損害の全てにおいて責任を負うこととなります。

法人化だけではなくフリーランスとして働くという選択肢も

いかがでしたでしょうか。会社員としてではなく、フリーランスとして働く方にとっては一度は考える法人化ですが、法人化したその先を考えた時に、ご自身にとってどのようなメリットがあり、それがデメリットとを大きく上回っていると感じられるのであれば、法人成りを考えた方が良いでしょう。

これまでの日本では、「学歴を積んで立派な会社に入社する」という事を理想としてきたところもあり、世界的に見ても起業する人の割合が少ないと言われている中で、バブル崩壊から起業される方の数は更に激減しているのが実情です。

それに対し、近年ではフリーランスとして働く方が多くなっていると言われており、今後の働き方としての形はもっと自由になっていくのではないかと思われます。

よって、必ずしも法人成りをしなければいけないという事はなく、比較的自由な身でいられるフリーランスとしての生活を選ぶことは、世間的な視点で見ても至極当然な事として認識してもらえる時代になったと言えるでしょう。

法人化をするのか、フリーランスとして働くのかという事で悩まれる事があるのであれば、それぞれのメリットデメリットを把握、比較して決定することができれば、それがご自身にとっての最良の選択となります。

独立という働き方ってどうなの?

  • 独立すると年収が上がる?
  • 安定して仕事はある?
  • 独立は保険等の自己負担が大きそう
会社員から、フリーランスや独立への転身を考えてみると、いくつも不安が浮いてくると思います。エンジニアの独立を支援する「Midworks」は、それらの不安を解消して、フリーランスのような高単価、正社員のような収入の安定を実現しています。

Midworksなら…

  • 年収が上がる
  • 安定した仕事の受注
  • 正社員同等の保障
独立やフリーランスを考えているエンジニアの方は、まずは相談から始めてませんか。