個人事業税とは|課される職種・個人事業税の申告と納付


個人事業税とは

個人事業税とは、その名称が示す通り、個人事業を営んでいる個人に対して発生する税金です。対象は株式会社ではありません。個人が対象、というところがポイントです。埼玉県の公表しているページ「個人事業税」には以下のような説明があります。

事業を行う場合には、道路など各種の公共施設を利用するなどの公共サービスを受けています。この税金は、その経費の一部を負担していただくものです。

この説明からも分かるように、個人事業主はどんな仕事をしていても、何かしらの公共サービスを利用しますよね。取引先との商談で公共交通機関を使うことだけでなく、執筆に必要な文献を図書館で探すことなど、普通に暮らしていると、多くの人はどこかで公共サービスを利用しています。個人事業税とは、そういった公共サービスの経費の一部負担として支払いの義務が生じる、というものとなります。

では、個人事業主であれば、全員がこの個人事業税を支払う必要があるのでしょうか。そんなことはありません。個人事業税が課せられる職種は、地方税法において限られています。では次に、個人事業主を課せられる職種について見ていきましょう。

個人事業税を課せられる職種

個人事業主に個人事業税が課せられることは前述した通りですが、その対象となる職種は規定されています。では実際にどのような職種が、対称となるのでしょうか。それは以下の通りです。

物品販売業、保険業、金銭貸付業、物品貸付業、不動産貸付業、駐車場業、製造業、電気供給業、土石採取業、電気通信事業、運送業、運送取扱業、船舶ていけい場業、倉庫業、請負業、印刷業、出版業、写真業、席貸業、旅館業、料理店業、飲食店業、周旋業、代理業、仲立業、問屋業、両替業、公衆浴場業、演劇興行業、遊技場業、遊覧所業、商品取引業、不動産売買業、広告業、興信所業、案内業、冠婚葬祭業 以上37業種、畜産業、水産業、薪炭製造業 、医業、歯科医業、薬剤師業、獣医業、弁護士業、司法書士業、行政書士業、公証人業、弁理士業、税理士業、公認会計士業、計理士業、社会保険労務士業、コンサルタント業、設計監督者業、不動産鑑定業、デザイン業、諸芸師匠業、理容業、美容業、クリーニング業、公衆浴場業、歯科衛生士業、歯科技工士業、測量士業、土地家屋調査士業、海事代理士業、印刷製版業、あん摩・マッサージ又は指圧・はり・きゆう・柔道整復その他の医業に類する事業、装蹄師業

このように、対象となる職種の幅は広いため、デザイナーやマッサージ関連で個人事業主として独立する場合、個人事業税が課せられる対象職種となります。また保険の営業マンが優秀な成績を収めて、代理店として独立することはよくある話ですが、保険業も対象の職種に含まれています。そのため保険代理店として独立を考えている場合、個人事業税への理解は欠かせないといえるでしょう。

個人事業税の税率

個人事業主に課せられる個人事業税の税率は一律ではありません。事業の種類によって、その税率は3つに分けられます。まず一番高い税率となる区分から紹介していきましょう。第1区分となるのは、第1種事業とされる職種です。その合計は37業種あり、飲食店業、広告業、請負業などが含まれています。そして課せられる税率は5%です。

2番目に高い税率となるのは、第2種事業。その対象となる職種は第1種事業と比べると少なく、水産業、薪炭製造業、畜産業の3業種のみです。課せられる税率は第1種事業よりも1%低い4%となります。

最も低い税率となるのは、第3種事業です。その対象となる事業は、合計30種類。デザイン業やあんま・マッサージ師も含まれています。課せられる税率は4%。3つの区分の中では最も低く定められています。

個人事業税の計算方法

個人事業税は、前述の税率を用いた計算方法があります。まずは個人事業税の対象となる、課税所得金額を明確にしなければいけません。では個人事業主の課税所得金額を明確にするためにはどのような計算式が用いられるのでしょうか。それは次の通りです。

総売り上げ(総収入)-経費-各種控除-事業主控除額 = 課税所得金額

これは当然のことですが、課税の対象となるのは、総売り上げではなく、あくまでも利益です。どれだけ大きな売り上げが発生したとしても、利益が少なければ課税の対象となる金額が膨れ上がることはありません。

しかし、これは逆に、売上げがさほど大きくなかったとしても、利益率が高い事業を営んでいれば、課税対象となる金額は高くなる、ということでもあります。

前述のページ「個人事業主」によると事業主控除額は1ヶ月あたり、242,000円です。控除額の詳細を営んでいる期間により細かい数字は変わりますが、1ヶ月のおおよその控除額は242,000円。1年間事業を営んだ場合、事業主控除額は2,900,000円です。

この計算に当てはめて考えれば年間の利益が2,900,000円以上の場合、個人事業主に対して、個人事業税が発生することになります。

個人事業税の申告

個人事業税の申告は基本的に、確定申告と同じタイミングで実施します。その期間は毎年2月15日から3月15日まで。この1ヶ月間に1昨年の年間の所得を明確にして、申告しなければいけません。この期間に管轄内の税務署を訪れて申告しましょう。

税務署に問合せをする場合、確定申告の時期は忙しく電話のつながりが悪くなるところも少なくありません。そのため初めて個人事業税を申告する際は、早い段階で取り組み、金額を明確にすることをおすすめします。

個人事業税を納付

個人事業税の納付方法は、事業所の管轄となる税務署から送付される通知書に従って納めます。その回数は1年間で2回。夏真っ盛りの8月と冬の訪れを感じ始める11月に通知書が送られてきます。個人宛に役所から市民税や国保の納付書が送られてくることがありますよね。

それと同じようなもので、納税通知書が、送られてきます。個人事業主としての個人事業税の納付書が送られてきた際は、すみやかに対応して支払いましょう。8月、11月があらかじめ忙しいことが分かっている場合、口座振替を申請しておく、という手段もあります。

個人事業税の勘定科目

個人事業税の勘定科目は、「租税公課」に仕訳することができます。これは意識していないと、住民税や国民年金と一緒に事業主貸として分類してしまいがちなので注意が必要です。住民税や国民年金はあくまでも個人に対して発生している税金です。しかし、個人事業主税は、事業を営む個人事業主に対して課せられるものです。そのため事業主貸とは異なると認識しておくことが大切です。

個人事業税が経費になるのか

個人事業税は経費とすることができます。その理由は、前述した通り、個人事業主税は個人にかかる税金とは異なるものだからです。個人にかかる税金はあくまでも、事業主貸であり経費ではない支出です、

しかし、租税公課に仕訳するものは基本的に経費にできることが前提です。また個人事業主に対して課せられる個人事業税は、事業に関する税金です。そのため個人事業主税は経費とすることができるのです。

個人事業主が払わなければいけない税金

ここまでは個人事業税について紹介してきましたが、個人事業主が支払わなければいけない税金は個人事業税だけではありません。では、個人事業税に、個人事業主にはどのような税金が課せられるのでしょうか。それを次に見ていきましょう。

所得税

所得税は個人事業主でない、会社員であったとしても毎年支払っている税金です。会社員として務めている場合は、会社の経理部門がその納税まで済ませているので、支払っている実感はあまりないかもしれません。しかし、働いていて、ある程度の所得があれば、会社員であっても納税の義務を避けることはできません。

では個人事業主が所得税を支払う場合は、どのような手続きが必要になるのでしょうか。それが確定申告です。個人事業主となってある程度利益が出る事業を営むようになれば、確定申告は避けることができません。

確定申告とは、国税庁が発行している書式に合わせて、売上げと経費、控除額などを偽りなく記載して申告する行為を意味しています。そのため、個人事業主になった場合は、開業届の提出有無には関係なく、帳簿を付けることが必要になります。

住民税

個人事業主は所得に対して課税される所得税だけでなく、住民税の支払いも必要です。所得税は国に納税しますが、住民税を納める場所は国ではなく、住居がある地方です。この住民税は、昨年度の利益に対して課せられます。そのため、昨年度は利益が高かったが、本年度は利益が低い、という場合でも昨年の利益に応じた金額が課税されるので注意が必要です。

消費税

個人事業主として開業届を出していれば、最初の2年間は消費税が免除されます。しかし、その期間を過ぎれば、消費税の納税義務が発生します。そのため個人事業主として事業をはじめた場合は、すぐに消費税について考える必要はありませんが、消費税と関係ないということにはならないので注意が必要です。

個人事業主ではなくフリーランスとして働くという選択肢もある

個人事業主として開業して事業を始めると、青色申告を実施できて、赤字を繰り越すことができるようになります。しかしその一方でここまで紹介したような個人事業税の課税対象になることや、消費税についても考える必要がでてきます。

そのためまずは個人事業主よりも、気楽に独立して仕事をはじめたい、という場合はフリーランスとして働くことをおすすめします。もちろん開業届を出さずに白色申告しかできなければ、赤字の繰越ができない、節税効果が弱い、などのデメリットがあります。

青色申告であれば、控除額が65万円ある、というのは有名な話ですよね。65万円売上から控除することができれば、節税対策としてはかなり大きな数字です。特に個人事業として事業をスタートして、それが安定的に売り上げを上げるようになるまでは、この控除額があることの影響は大きいといえるでしょう。

しかし、フリーランスとして事業を始めて、誰もが上手くいくわけではありません。実際にフリーランスとして一度は活動してみたけれど、会社員の方が合っていることが分かってフリーランスを辞める人も少なくありません。

もちろん、フリーランスとして働き始める時に、最初からやめることを考えるべきではありませんが、どの程度売上をつくることができるかは、やってみなければ分からないところもありますよね。

そのため、将来的な法人化など、明確なビジョンがまだ未確定な時や、気軽に個人として仕事を始めたい場合、あえて開業届を出さない、ということも賢明な選択の一つです。これから模索しながら個人で仕事をすることを考えているなら、まずはフリーランスとして働くことも、検討してみてはいかがでしょうか。

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