フリーランス/個人事業主の節税方法・受けられる控除の種類


フリーランスが経費として計上できるもの

フリーランスが経費として計上できるものには、さまざまな種類があります。備品や交通費や会議費などは経費計上できるものとして誰もが理解していることです。しかし実はそれ以外の日常生活で支払っている費用の中にも、経費として計上できるものがあるのです。

では日常生活で発生する費用で、経費として計上できるものにはどのようなものがあるのでしょうか。一つずつ見ていきましょう。

自宅兼オフィスとしている場合の家賃

自宅兼オフィスとしている場合、賃貸住宅の家賃は経費として計上することができます。生活している時点で家賃の全てを経費として計上することはできません。しかし家事按分すれば、家賃の25%~50%程度を経費として計上可能です。

家事按分をする場合、基本的には根拠が客観的に納得できるものであれば、その割合は自分で決めることができます。例えば3LDKの部屋に住んでいて、その部屋の一つを仕事部屋としていたとします。

そうすると、4部屋あるうちの一部屋は仕事のために使っていると解釈できますよね。その場合、「4部屋のうち一部屋を仕事部屋にしている」という根拠に基づいて家賃の25%を経費として計上することができます。仮に家賃が100,000円だとすれば、その25%は25,000円ですよね。年間で計算すると、25,000円×12ヶ月で300,000円となります。

年間で300,000円の経費はかなり大きいですよね。もちろんレンタルオフィスやコワーキングスペースなど、他に作業場所を確保している場合、そちらを経費とするべきですが、自宅でフリーランスや個人事業主として活動するなら、家賃を経費として計上することは必須です。支払っている家賃によっては控除を受けるのと同じくらい大きな節税となります。

プライベートと兼用の通信費用

携帯電話やネット回線は、元々は事業用として契約したわけではない人が多いのではないでしょうか。。しかしそういった費用もフリーランスや個人事業主として独立すれば、経費として計上することができます。

ただし、発生する通信費の全てを経費計上できるわけではありません。プライベートと兼用する通信なので、家賃と同じように家事按分で計算しましょう。その根拠の計算は、どの程度事業に通信を利用しているかで異なります。仮に1日8時間はネットに接続してパソコンで作業しているとしましょう。そうなれば24時間のうち3分の1、33%の通信は事業用と考えることができますよね。

これは一例ですが、通信費の33%を経費として計上するのであれば、その根拠を明確にしておくことが欠かせません。自分が導いた根拠に自信がない場合は、管轄の税務署に連絡して「この根拠で計算しても問題ないか?」と確認することをおすすめします。少し手間ですが、事前に確認しておくことで、誤った根拠で計算する不安を解消することができます。

電気代や水道代

自宅兼オフィスの場合、電気代や水道代も、家賃や通信費と同じように家事按分で経費計上が可能です。水道代や光熱費を家事按分した費用は数百円~数千円程度ですが、これも年間で計算するとそれなりの金額になります。そのため、自宅兼オフィスの場合は、こういった水道光熱費も経費計上することが欠かせません。電気代や水道代を家事按分する際も根拠は明確にしておきましょう。

セミナーやイベントの参加費用

フリーランスや個人事業主として活動してれば、セミナーの参加費用は研修費として計上可能です。もちろん明らかに事業とは関係がないものであれば、計上するかどうかは考えた方がいいですが、セミナーの場合、そのほとんどを研修費として計上できます。

会社員として務めていても、自己啓発として、社内でコミュニケーションセミナーが開催される場合がありますよね。特に心理学やコミュニケーション系のセミナーはビジネスでも取り入れられることが多いジャンルなので、研修費として計上しても基本的に問題ありません。

趣味で普段から心理学のセミナーに参加している、という場合はそれも経費として計上できるので、人によってはかなり大きな経費となる可能性があります。ただし、セミナーの参加費用を経費として計上する場合は、領収書か銀行振込であれば振込履歴など、支払いの証拠が残っていなければいけません。これまでセミナーへの参加で領収書をもらっていなかった、という場合は領収書を受け取ることを忘れないように注意しましょう。

外食代金

自分以外の第三者と外食した場合は、その費用は接待交通費として計上することができます。外食する機会が多い人の場合、この経費はかなり大きくなるので、領収書をきちんともらっておきましょう。仮に毎月20,000円誰かと外食していたしたら、その経費は年間で240,000円です。

もちろん明かに仕事とは関係ない人との食事の場合、経費とするべきではありませんが、少しでも仕事に関係するのであれば経費として処理しておきましょう。毎月の帳簿をつける際に、どのような接待だったのか、参加メンバーなど内容を簡単にメモしておくと管理しやすくなります。

交通費

交通費を経費として計上するのは当然のことですが、忙しく仕事をしていると、どうしてもこの交通費は経費としてつけ忘れてしまいがちです。そのため交通費は発生したその日か、もしくは一週間ごとに振り返って記録しておくことをおすすめします。

一度の電車賃が200円程度だったとしても、往復で10回電車に乗れば、それだけで4,000円の経費となります。月に4,000円の交通費でも年間で考えれば48,000円です。フリーランスや個人事業主となった際は、交通費の出費の記録は細かくつけておきましょう。

フリーランスが節税したい時に役立つ本

フリーランス、個人事業主として独立した場合、売上げをつくることと節税対策は同時に進めていかなければいけません。なぜならどれだけ売上げをつくったとしも、経費計算ができていなければ、その売上げの多くのが所得税として出ていってしまうからです。

ではフリーランスとして独立した際、どのような書籍を読めば節税に役立つのでしょうか。初めて節税について考えるなら、おすすめの書籍があります。それはきたみりゅうじ氏の「フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。」です。

この書籍はフリーランスになったばかりのきたみ氏が税理士から受けた税金の知識を初心者目線で分かりやすく書いた書籍。文字ばかりではなく、四コマ漫画なども取り入れて分かりやすく説明されているため、これから節税を勉強するという場合はぴったりです。

発売されたのは10年以上前の2005年ですが、税金や控除、節税の基本を学ぶためならその内容は古くありません。節税の入門書を探すなら、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

フリーランスが受けられる控除

フリーランスが受けられる控除には、いくつかの種類があります。もちろん全ての控除を受けることができる人は稀ですが、条件に当てはまっている控除があれば受けておくことをおすすめします。ではフリーランスが受けられる控除にはどのようなものがあるのか、まずはその区分の代表的なものを見ていきましょう。

所得控除

詳細は次項で説明しますが、所得控除はフリーランスや個人事業主だけでなく、ある一定条件を満たせば会社員でも受けることができる制度です。ある特定の職種でなければならない、または年収1000万円以上でなければいけない、などの条件は特にないので比較的誰でも受けられる控除の区分です。

青色申告特別控除

青色申告特別控除とは、青色申告で確定申告をするフリーランスや個人事業主が受けられる控除です。詳細は後述しますが単純に節税を考えるなら、白色申告よりも青色申告の方が控除される金額が多く、メリットがあります。

この他には専従者控除、保険系の控除、ふるさと納税など寄付系の控除があります。詳細の解説はこの後に譲りますが、これらの控除を上手く組み合わせて使うことで節税対策となります。

1:所得控除

個人事業主、フリーランスとして活動する場合、所得控除を受けることができるのは前述した通りです。節税するならこの所得控除を受けることは欠かせません。所得控除には配偶者控除と扶養控除があります。これらは両方を合わせると控除額としてそれなりの金額になります。それぞれ順番に見ていきましょう。

配偶者控除

配偶者控除は会社員として働いている場合でも適用される制度なので、既に利用している、という人も多いのではないでしょうか。配偶者控除とはその名称が示す通り、配偶者がいる人が受けることができる控除の一つ。配偶者が仕事をしていない場合、380,000円の控除を受けることができます。

では配偶者が働いている場合は受けることができないのかといえば、そうではありません。更生労働省の資料「配偶者控除・配偶者特別控除制度の仕組み(所得税)」には、次の一文があります。
“居住者の配偶者でその居住者と生計と一にするもののうち、年間の給与収入が103万円以下の者を有する場合には38万円を控除する。”

つまり配偶者が働いていたとしても、年間の収入が103万円以下であれば380,000円は控除します、ということです。学生時代にアルバイト先に主婦の方がいて、年間103万円以上稼ぐことはできない、という話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

その理由のほとんどはこの配偶者控除を受けるためです。中途半端に年間1,200,000円稼いでしまうと、380,000円の控除が受けられません。手元に入ってくるお金が多く見えても控除を考えれば損をしてしまうのです。

そのためフリーランスとして活動していて配偶者控除を受けるなら、配偶者の年収を把握しておくことが欠かせません。配偶者がアルバイトに出る場合、その報酬が年間1,030,000円を越えるかどうかを確認して、配偶者控除を受けた方が得かどうか、見極めることが大切です。

扶養控除

扶養控除も配偶者控除と同じように、フリーランスや個人事業主だけではなく、会社員も受けることができる控除の一つです。この控除は一定条件を満たした扶養する家族がいる場合に控除を受けることができる制度です。

その控除の対処は配偶者以外の親族も含まれます。そのため子供や里子がいる場合、積極的に活用すべき控除の制度だといえるでしょう。控除が受けられる金額は380,000円から最大で580,000円です。

2:青色申告特別控除

青色申告特別控除とは、フリーランスや個人事業主が青色申告で確定申告する場合受けることができる控除です。ただし、ただ青色申告をするだけでは大きな金額の控除を受けることはできません。青色申告で控除される金額には幅があります。その金額は100,000円と650,000円。差額は450,000円です。

この違いはかなり大きいですよね。できれば650,000円の控除を受けたいと考えるのが通常の反応です。100,000円ではなく650,000円の控除を受けようと思えば、複式簿記の記入が必要になります。

複式簿記とは、借方と貸方という二つの項目で入出金の記録をしていく記録方法です。100,000円の控除でよければ、簿記は単式簿記という、単純なお金の出入りと残金が分ければそれだけで問題ありません。

しかし複式簿記となると簿記の知識が最低限は備わっていることが前提となります。日々の現金の流れとして貸借対照表を記録していく必要があります。そのため簿記の知識が全くない場合は、ひとまず1年目は単式簿記で記録して、2年目以降は複式簿記に切り替えていく、という人も珍しくはありません。

どうしても複式簿記で650,000円の控除を受けたい、という場合は商工会議所や青色申告の帳簿作成セミナーなどに参加して勉強することを検討しましょう。複式簿記は、最初は難しく感じますがコツを掴めばストレスなく管理できるようになります。

3:専従者控除

専従者控除とは、配偶者や親族など親族に仕事を手伝ってもらった場合、事業を営むフリーランスや個人事業主が一定金額の控除を受けられる制度。家族に仕事を手伝ってもらう予定がある場合は、理解しておくべき控除の一つです。

専従者控除は白色申告を行っていて、なおかつ生計を同じくする親族が年間を通して6ヶ月以上従事していた場合に受けることができます。仮に専従者控除を受ける時に、専従者が生計を共にしている配偶者だったとします。その場合は860,000円の控除を受けることができます。しかし専従者が配偶者ではなく、15歳以上の親族の場合(例えば20歳の息子など)、控除額は500,000円となります。配偶者に仕事を手伝ってもらう割合が多い場合は、専従者控除は活用すべき控除です。ただし専従者控除と配偶者控除は併用することができないので注意が必要です。

専従者控除は白色申告をする場合に受けられる控除ですが、青色申告の人でも受けることができる、同じような制度があります。それが専従者給与です。専従者給与とは、専従者控除とほぼ同じ条件で控除を受けることができる制度です。

青色申告をしていて、なおかつ配偶者や15歳以上の親族に仕事を手伝ってもらう予定がある場合活用することができます。ただし専従者給与の制度を使う場合は、控除を受ける年の3月15日までに、税務署に届け出を出すことが必要です。青色申告で専従者給与をする予定があるなら、届け出は忘れずに提出しておきましょう。

4:保険系の控除

フリーランスや個人事業主として節税することを考えるなら、保険系の控除も無視することはできません。では保険系の控除には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。検討すべき項目としては二つあります。それは年金と共済です。ではそれぞれについて見ていきましょう。

国民年金基金

国民年金基金制度は、個人事業主やフリーランスでも加入することができる年金制度です。年金に加入していれば、老後は年金による収入が見込めるのは良く知られています。フリーランスや個人事業主の場合、国民年金基金に支払う掛け金も社会保険料として控除の対象とすることができます。

また国民年金だけだと、個人事業主やフリーランスは定年後に受け取ることができる金額は小さくなってしまいがちです。公務員や正社員として長く働いていた場合、厚生年金に加入しているので、定年した後もまとまった金額を受け取ることができます。しかし国民年金のみの場合、厚生年金の加入者と比較すると、月額で10万円以上の差が出てしまうことがほとんどです。
毎年の節税だけでなく、老後の年金についても考えるなら厚生年金基金は検討する価値がある保険制度だといえるでしょう。

小規模企業共済

会社員や公務員とフリーランス、個人事業主を比較した場合、明らかな違いがあります。それは退職金の有無です。近年では非正規雇用で退職金制度が無い雇用で働いている人も珍しくありませんが、定年した時に退職金が無いとなると、何かと不安は残ってしまうものです。

そんな不安を解消して、さらに節税も期待できるのが小規模企業共済です。小規模企業共済は、自分で退職金を積み立てる、という感覚で利用することができます。どの程度の金額が控除の対象になるのかといえば、掛け金の全額です。

毎月の掛け金は自分で決めることができますが、仮に毎月の掛け金を10,000円としたとします。その場合、毎月10,000円、年間で120,000円が控除の対象となります。フリーランスとして独立したばかりで、毎月10,000円の出費は難しい、という場合はもっと少ない金額で掛け金を設定することもできます。

5:寄付(ふるさと納税など)

ふるさと納税は、日本全国の自治体に寄付をすると、お礼の品として特産物などが自宅に送られてくる制度です。この制度を上手に活用すれば、フリーランスや個人事業主は節税が可能です。ふるさと納税を使う時は、まずは年収を把握しなければいけません。なぜなら年収によって控除される控除の金額が異なるからです。

当然年収が多ければ多いほど、控除金額は高くなります。ふるさと納税は寄付金額によって返礼品の品物が変わります。なかには数十万円の寄付に対しては高級旅館の宿泊や、イベントへの参加の権利など、品物ではなく体験を返礼品としているところも少なくありません。

ふるさと納税を活用する場合、まずは自分の年収でいくらまで控除できるのかを調べます。そしてその控除額が分かったら、その上限ぎりぎりまで、返礼品が気になる自治体に寄付しましょう。そうすることで節税しながら地域の特産品をいただく、という賢い節税をすることができます。

フリーランスが確定申告をする時の注意点

フリーランス、個人事業主が確定申告をする時の注意点は、毎月の経費をしっかりと計算しておくことです。フリーランスとして忙しく活動しているとどうしても毎月の経費の計算は後回しになりがちです。

しかし確定申告の時期に一年間全ての経費を計算しようとしても、そう簡単にできるものではありません。一年近く前の領収書となると、具体的に何に使ったか思い出せない場合もあるからです。フリーランスとして活動を始めたら、最初から確定申告を意識して毎月の帳簿をしっかりつけておくことが大切です。

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