雑損控除の基礎知識|雑損控除の対象・手続き・計算方法


雑損控除とは

地震大国の日本では、いつ自分の身に災害が降りかかるか分かりません。また日本は地震以外にも台風や大雨によって被害を受ける可能性があるため、ITフリーランスとして独立した際は、こういった災害について対策することが欠かせません。

このような自然災害に限らず、人為的な盗難などで資産を失った場合に受けることのできる控除が雑損控除です。損害の内容によっては、所得から一定額の控除を受けることができます。フリーランスとして活動していて災害に見舞われた場合は、雑損控除を受けることができるのか確認することが大切です。

雑損控除の対象になる資産

雑損控除の対象になる資産には条件があります。損害を受ければどのような資産でも雑損控除の対象となるわけでないので注意が必要です。では、国税庁の「災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)」を参考に、どのような条件を満たす必要があるのか、一つずつ見ていきましょう。

資産の所有者について

資産の所有者として、次の二つのどちらかであることが一つ目の条件です。そのうちの一つは納税者です。納税者の資産が天災や人災に合っている、ということが前提となっています。そして二つ目は配偶者やその他の親族です。

ただし、ただ配偶者や親族であればいいわけではありません。納税者と生計をともにしていなければいけません。またその年の総所得金額が38万円以下でなければいけません。

対象となる資産の種類について

国税庁の「災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)」では対象とならない資産について記載されています。それは棚卸資産、事業用固定資産、生活に通常必要でない資産です。重要なポイントはこの生活に通常必要でない資産です。

仮に軽井沢に別荘を所有していて、その不動産が台風もしくは外国の窃盗団の標的とされ、損害を受けたとします。この場合まず考えなければいけないことは軽井沢の別荘が生活に通常必要でない資産に当てはまるかどうかです。

東京都内の23区内でマンション暮らしをしている場合、軽井沢の別荘は生活に通常必要な資産になるでしょうか。軽井沢に別荘があったとしても、なかったとしても、通常の生活は送り続けることができますよね。そのため、趣味として軽井沢の別荘を所有していた場合は、損害を受けていたとしても、このケースでは雑損控除の対象とはなりません。

このように雑損控除を受けるためには、資産の所有者と、どのような資産が損害を受けたのか、がポイントとなります。

雑損控除の対象になる被害一覧

雑損控除の対象となる被害は決まっています。天災であれば、何でも対象になるわけではありません。では次は雑損控除の対象となる被害について見ていきましょう。

震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害

震災や風水害、冷害、雪害、落雷などの自然現象の異変による災害の場合、雑損控除の対象となります。雪害や冷害に関しては地域によっては心配する必要がないかもしれません。

しかし、東北や北海道など雪が降る地域では、雪害や冷害が起きる可能性は必然的に高くなります。

雪害の一つとして雪圧による家屋の倒壊があります。屋根に雪が積もり、その重力によって家屋が倒壊する損害です。一般的に東北や北海道の家屋はこのような雪害対策として屋根の計上が工夫されています。

しかし、雪が少ない地域に大雪が降った場合は雪圧への対策がされていないので、このような雪圧による被害が起こる可能性があるといえるでしょう。

火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害

人為的に引き起こされた火災によぅて損害を被った場合、雑損控除の対象となります。夏は火を扱う機会が減るので、冬に比べると火災が起こる確率は低くなります。しかしテレビや新聞を見ていても分かるように、冬は火災が起きやすくなります。その原因の一つは空気の乾燥です。冬は各家庭で加湿器が使われるように、乾燥の季節です。

乾燥している状態でストーブやコンロを使えば火災が起こるリスクが高まります。実際に総務省によれば、火災の原因の第一値はコンロです。次いで、たばこ、放火と続きます。このことからも冬場は火の扱いには注意が必要なことが分かります。またこのような火災が起きた場合、雑損控除を受けられる可能性があります。

害虫などの生物による異常な災害

害虫などの生物による異常な災害が起きた場合も、雑損控除を受けることができます。害虫災害としては、シロアリによる木造家屋への損害があります。日本の住宅は、古くからあるものはその半数が木造です。新たに建てられるビルやマンションは鉄筋コンクリートが多いためシロアリの被害を心配する必要はないかもしれませんが、木造住宅に住んでいる場合、シロアリ被害が生じる可能性はゼロではありません。

シロアリ被害は早期発見、解決することができれば、家屋が倒壊するような事態になることはありません。しかしシロアリの被害を発見することができず、数十年の月日が経過すれば家屋が倒壊してしまう可能性があります。

また、実際に家屋が倒壊しなかったとしても、大量のシロアリが家中を這いずり回る姿を見てしまって精神的にダメージを受けることも少なくありません。このようなシロアリによる被害は害虫被害の一例に過ぎませんが、他にも害虫によって損失が起きた場合は、雑損控除の対象となる可能性があります。

盗難

盗難によって損失があった場合、雑損控除の対象となります。盗難の手口にはさまざまなものがありますが、気を付けなければいけない被害の一つに空き巣があります。空き巣とは、住人が留守の間に家屋に忍び込み、金品を強奪される被害です。この空き巣被害になりやすい家の条件があります。

それは公園に近い家や、子供部屋が分かりやすい家です。公園に近い家が空き素に狙われる理由は、盗難するための計画が練りやすいからです。公園があれば、長時間その場所にいても不信がられることはありません。そのため犯罪者は公園に滞在し、その付近に住む住人の行動パターンを分析することができます。その結果、公園付近の家が空き巣被害にあいやすくなっているのです。

また、子供部屋の管理は基本的に子供がするので、鍵を閉め忘れている可能性が高くなります。また侵入者からすれば、仮に侵入した際に人に遭遇したとしても、子供であれば恐れる必要がありません。子供が幼ければ人質にすることができるからです。このような空き巣による盗難で損害が生じた場合も、雑損控除の対象となります。

横領

フリーランスの立場で誰かに横領されることは、可能性としては低いかもしれませんが、横領による損害も雑損控除の対象となります。業務委託契約か雇用契約を締結して誰かと同じ環境で働く場合、横領されるリスクは常にゼロではありません。横領によって損失がある場合、雑損控除の対象となります。

このように雑損控除の対象となる被害は多岐にわたります。しかし、詐欺や恐喝は雑損控除には含まれていないので注意が必要です。

雑損控除の計算方法

雑損控除を受けるためには、計算によって差引損失額を導き出さなければいけません。差し引き損失額を計算するためには、損害金額と災害に関連した支出の金額をまずは明確にしなければいけません。さらに、保険に加入している場合は、保険によって補填される金額も必要となります。差引損失額を導き出すにはこれらの数字を明確にして、以下の計算式を用います。

[損失金額 + 災害等に関連した支出の金額 - 保険金で補填される金額]

この計算で差引損失額が明確になります。仮に住宅の倒壊が起きた場合、損失金額は損害を受けた直前の時価が基になります。購入した時期でも計算をする時期でもなく、損害を受けた時期の時価です。

災害等に関連した支出の金額は、災害に関連した支出だけが対象ではありません。それ以外の災害と合わせて発生した盗難などの損害も合計したものです。地震災害が起きれば、その混乱に乗じた窃盗や盗難事件が起きる可能性が高くなります。そういった損害も合わせた金額です。

雑損控除を受けるための手続き

雑損控除を受けるための手続きは他の控除を受ける場合と同じく、確定申告で実施します。確定申告の際は、まず提出書類に雑損控除に関する事項を記載することが必要です。

そして、提出書類としては流収書も必要です。災害に関連して発生したやむを得ない支出に関する領収書をまとめて提出しましょう。その際に窃盗や盗難の被害があった場合は、その被害によって必要となった支出の領収書も必要となります。

この雑損控除を受ける際は、確定申告の期限を守ることが欠かせません。なぜなら確定申告は期限を過ぎてしまうと、延滞税が上乗せになる可能性があるからです。還付金がある場合は還付金が減ってしまうリスクがあります。せっかく、雑損控除で控除を受けるなら、延滞税がかかってしまうことは避けたいですよね。

確定申告の期間は基本的に2月16日頃~3月15日です。3月半ばのギリギリのタイミングで角的申告しようとすると、急に仕事が忙しくなって提出を忘れてしまうこともあるので注意が必要です。

確定申告の期間が始まってすぐの税務署はどうしても込みますが、早めに確定申告するように準備しておけば、申告忘れになるリスクは回避することができます。待ち時間が2時間程度かかる場合もありますが、遅延によって延滞税がかかることを考えれば、2時間待つことは無駄でもありません。

また、確定申告で失敗しないためには、確定申告の時期までに書類を作成しておくことも大切です。国税庁のホームページにアクセスすれば作成方法についての解説があり、フォーマットに入力することで作成できます。

確定申告書は事前に入力を済ませてプリントアウトすることもできます。雑損控除をする場合は書類の準備に時間がかかる可能性も高いので、なるべく確定申告までに書類を準備しておくことをおすすめします。

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