デザインとデザイン思考の違い・オススメ参考書3冊


デザイン思考とは

デザイン思考とは、問題を明確化してそれを解決する一連のプロセスを指します。問題解決の手法ではなく、どのように問題を発見して解決するのか、というプロセスそのものを重視する思考のテクニックです。

ITフリーランスとして事業を営んでいると、必ず何かしらの問題にぶつかります。問題にぶつかった時は解決に向けて頭を使って考え、実際に解決に向けたアクションを起こしますよね。この問題解決という行為は細かく見ていくと、実にさまざまなことを決めていることが分かります。

まずは問題を問題と認識するためには、何が会社にとって良くないことなのか、という定義をしなければいけません。仮に売上げが先月よりも低くなったとします。その状況を問題と決めたとします。この時のポイントは、問題だと自分で決めたということです。客観的に考えれば先月よりも売り上げが低いことは決して問題ではありません。

株式のチャートを見れば分かるように、事業経営で波があるのは当然のことです。客観的に見た場合、売上げが先月よりも低いことは悪いこととは限りません。売上の低い月の成果が翌月に計上できるケースもあるからです。デザイン思考では最初にこれは問題である、と決めるプロセスが発生します。

問題が明確になれば、それがなぜ起きたのか、という調査が必要となります。今回の例でいくとなぜ売上げが先月度よりも落ちてしまったのかを調査しなければいけません。

調査をするためにはデータが必要ですよ。商店であれば前月の来客数、何が売れたのか、何曜日に売れたのか、といった情報収集のプロセスが必要となります。情報が収集できれば、次は分析が必要です。来客数が減っているのであれば、なぜ来客数が減っているのかを分析します。先月売れていて、今月売れていないアイテムがあれば、なぜ売れていないのか原因について考えなければいけません。

このような情報の調査、分析によって問題が起きた原因が分かれば今度は解決に向けた計画が必要になります。解決の手段は一つではありません。複数の計画を考え、その中から最適なソリューションを導き出さなければいけません。

このように一言で表現できる問題解決には、さまざまなプロセスが含まれています。これらのプロセスを一つ一つ丁寧に取り組むことで、常識とは異なる発想やソリューションを得ることができます。このような思考プロセスを細かく分析していくことがデザイン思考の基本です。

デザインとデザイン思考の違い

デザイン思考ではソリューションを導き出すまでのプロセスが重視されることは前述した通りですが、デザインという言葉とは意味が大きくことなります。通常デザインといえば、デザイナーが実務として取り組むwebデザインやキャラクターデザインについて考えてしまいがちですが、デザイン思考の指すデザインの意味はそういったものとは全く異なります。

デザイン思考で使われるデザインの意味は、前述したように問題解決のプロセスです。簡単に表現すれば、細かく丁寧に思考すると言い換えてもいいかもしれません。スピード感が求められるビジネスの現場では、どうしても直観的に物事を決めてしまいがちです。

もちろん、直観で決めて全てが上手くいけば、それに越したことはありませんが、それで必ず上手くいくとは限りません。直観で判断するよりも、デザイン思考を取り入れてソリューションを決定した方が上手くいく場合もあります。

デザイン思考の活用事例

デザイン思考を意識的に使うべき理由

デザイン思考を実際にビジネスに取り入れるためにはひとつひとつの物事を丁寧に考えることが欠かせないわけですが、いきなり実践しようと思ってできるようなものではありません。

デザイン思考を習得したいなら、最初は意識的に使うことが大切です。車の運転と同じように、デザイン思考も慣れてきたら自然とできるようになります。

車の運転も覚えてすぐの頃は、右がアクセルで、左がブレーキと考えながら操作しますよね。ところが1年も車に乗り続ければ、どちらがブレーキで、どちらがアクセスなのかは身体が感覚的に記憶するので、いちいち考える必要はなくなります。デザイン思考を習得するためには、車の運転と同じように、徐々に身体で覚えることが欠かせません。

では、実際にデザイン思考を使った場合は、どういった思考プロセスが頭の中で展開されるようになるのでしょうか。その活用事例を以下に見ていきましょう。

問題を明確にする

前述した通り、デザイン思考のスタートは問題を明確にすることから始まります。では、事例として飲食店で雇用したアルバイトがすぐに辞めてしまう、という出来事が起きていたとしましょう。ここ3ヶ月、雇用しても1ヶ月ですぐに辞めてしまっている、という状況です。

この状況をどのように問題として定義するのか、というところが大切です。通常の思考であれば、「どうすればアルバイトは辞めないのだろうか?」と考えるはずです。

デザイン思考を取り入れた場合は、それだけでは終わりません。他の問いも考えます。例えば、同じ状況に対して「そもそもアルバイトは本当に必要なのか?」という問いを立てることもできますよね。デザイン思考の実践のポイントは問題を明確にする際に、安易に問題を決めてしまわないことです。さまざまな視点で状況を捉えることで、定義すべき問題が分かります。

ソリューションを複数考える

「どうすればアルバイトは辞めないのだろうか?」という問いを立てることができれば、今度は実際にそのソリューションを考えなければいけません。通常の思考であれば、「賃金を上げる」「もう少し優しく研修する」「意見を言いやすい雰囲気を作る」などの解決策が思い浮かぶでしょう。

しかし、デザイン思考を実践するなら、ソリューションは3つ程度ではなく、これ以上はない、というほどアウトプットすることが大切です。アイデアはこれ以上ない、という限界まで出した時に初めて常識の枠を超えた発想が出てくるものです。

ソリューションを考える際は、まずは数多くアウトプットすることを意識して取り組みましょう。

ソリューションとして出てきたアイデアをブラッシュアップする

「これだ」と思えるソリューションが明確になったとしても、それをすぐに実行してはいけません。そのアイデアが最高のものとなるまで、何度でも考え直します。または、協議します。そうすることで解決策をブラッシュアップしていきます。

例えば、賃金が低いことでアルバイトが定着しないのであれば、いくらなら定着率が上がるのか、それを根拠と共に考えます。実際に働いているアルバイトに意見を求めてもいいでしょう。地域の時給相場を調べることや、専門家の意見を聞いてもいいかもしれません。これ以上のものはない、と思えるレベルまで解決策をブラッシュアップしていきます。

デザイン思考とプロダクト開発

これがデザイン思考の基本となる部分です。しかし、今回事例として、採用の問題を取り上げましたが、通常デザイン思考はプロダクト開発の現場で取り入れられることが多い思考技術です。

スマートフォンの新機種の開発や新しいノートパソコンの開発、または家電やアプリケーションを開発する時に役立ちます。製品開発にデザイン思考を用いれば、徹底的にテストを繰り返してソフトウェアのバグを無くすことや。テスト販売を実施することなどがアイデアとして沸いてくるかもしれません。顧客のニーズについてもより深く考えることができます。

またwebサイトのデザインを考える際にも、デザイン思考は役立ちます。サイトを作成するためには、基本的に最低でも以下の項目を明確にすることが必要です。

  • サイトの目的を明確にする
  • ターゲットを明確にする(ユーザー要件分析)
  • サイトの機能を定義する
  • コンテンツの基準を定義する
  • ユーザビリティを考える

これらの項目を定義していく際に、デザイン思考を取り入れることで、より良いwebサイトのデザインを作ることができます。

デザイン思考を学ぶためのおすすめの本3冊

デザイン思考は書籍からも学ぶことができます。以下におすすめの書籍を紹介します。

デザイン思考が世界を変える (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

本書はデザイン思考について、経験談と共にその使い方が記されています。研究や開発部門にとって良いプロダクトを作ることが最大のミッションとなるわけですが、そのためには卓越したアイデアがかかせません。

本書でデザインとイノベーションについての理解を深めれば、応用してビジネスに活かすこともできます。デザイナーのような柔軟な発想や思考を手に入れたい場合におすすめの書籍です。

超図解「デザイン思考」でゼロから1をつくり出す

本書はデザイン思考について基本から理解したい場合におすすめの書籍。これからビジネスにデザイン思考を取り入れていきたい、という状況にぴったりな一冊です。

思考法に関する書籍は理解することが難しい書籍も少なくありませんが、本書は分かりやすさも魅力です。デザイン思考の理論だけではなく実践まで知ることができる良書です。

デザイン思考の教科書 欧州トップスクールが教えるイノベーションの技術

本書はデルフト工科大学で使われているプロダクトデザインに関するアプローチや視点について記載された一冊。デザイン思考の手法が数多く掲載されているので、状況に合わせて手法を取り入れることができます。

ただし、ひとつひとつの手法の解説は分かりやすくは書かれていないため、ある程度デザイン思考についての理解が進んでから読むべき書籍だといえるでしょう。デザイン思考を普段から使っている状態で読めば、知識を再確認することができます。

デザイン思考のおすすめ入門セミナー

デザイン思考を習得するなら、書籍ではなくセミナーで学ぶという手段もあります。セミナーの演習で体感を伴って情報をインプットすれば、新しい刺激となり、知識も入りやすくなります。書籍だけではデザイン思考が習得できなかった、という場合は、セミナーに参加するのもおすすめです。

デザイン思考の入門セミナーとしては一般社団法人日本能率協会が開催している、「デザイン思考ワークショップ入門セミナー」がおすすめです。本セミナーでは左脳に偏りがちな人が受講すれば、右脳が刺激され、創造性を取り戻すことも目的として含まれています。今のビジネスに斬新なアイデアを取り入れたい場合に適したセミナーです。

デザイン思考のおすすめワークショップ

デザイン思考のワークショップへの参加を検討するなら、一般社団法人デザイン思考研究所の「デザイン思考ワークショップ入門クラス」がおすすめです。本ワークショップは、デザイン思考をこれから取り入れていきたい、という人を対象に開催されているワークショップなので、難しくて分からなくなる、という心配がほとんどいりません。

朝から夕方まで時間をかけて実施されるので、じっくりとデザイン思考に浸ることができます。また基本的に講義だけでなくディスカッションやワークで進行していくので、セミナーよりも実践感覚を身につけやすい環境が整っているといえるでしょう。デザイン思考を実践で身につけたい場合におすすめワークショップです。

デザイン思考を活かしてフリーランスとして働こう

フリーランスとして働いていると、左脳的な発想だけでは越えられない壁にぶつかることが少なくありません。ロジカルなことはビジネスでは必要ですが、ロジカルシンキングに捉われてしまうと、柔軟な発想ができなくなってしまいがちだからです。

ロジカルシンキングで陥りがちなパターンの一つは、損得勘定で考えてしまうことです。ビジネスは数字の世界ですから、費用対効果、投資のリターンなど常に数字と照らし合わせて考えることが欠かせません。

しかし、それを突き詰めると人間らしさや道徳的感情が損なわれます。世界の一部地域では児童労働が問題視されていますが、これは論理的思考が行き過ぎた結果でもあります。安い賃金で人を雇用して、成果を作ることだけを考えればブラックな労働環境となってしまうのです。そうなると一時的に利益を確保できたとしても、長く繁栄することは難しくなります。

デザイン思考を活かせるようになれば、右脳的な発想や共感力も高まるため、左脳的な思考に偏ることがなくなります。思考のバランスが良くなり、フリーランスとしてより柔軟にビジネスと向き合うことができるようになります。クリエイターの場合は、発想方法が変わり、これまでとは違った作品やデザインを生み出せるようになるかもしれません。

いずれせよデザイン思考はユーザーの真のニーズを捉え、それに答えるためには欠かせない思考法の一つです。これからフリーランスとして独立するなら取り入れておくべき思考方法だといえるでしょう。

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