固定資産台帳の書き方・目的・項目一覧|おすすめのテンプレート


固定資産台帳とは

固定資産台帳とは、固定資産の減価償却の経緯を記入するための帳簿です。車や土地などの固定資産を保有している事業主は、固定資産台帳をつけなければなりません。ここでは、固定資産台帳の仕組みがいまひとつ理解できないという方のために、「固定資産」や「減価償却」といった会計用語の説明を交えて詳しく解説していきましょう。

固定資産台帳について理解するためには、まず「固定資産」が何かを知る必要があります。ここでいう固定資産とは、「流通を目的とせず、消耗品でもない資産」のことです。

具体的には、「土地」「建物」「車両」「工具器具備品」「機械装置」などが固定資産に分類されます。これらの資産は、現金などと違って流通を目的としていない上、使い切りの消耗品でもありません。つまり、企業活動の基礎となり、一度手に入れたら長期間継続して使用できる資産が「固定資産」と呼ばれるのです。

固定資産の中には、時間の経過や使用時の劣化により価値が減少していくものがあります。土地は何十年使っても劣化するということはありませんが、車や建物は長年使い続ければボロボロになっていきます。使う程に劣化していく固定資産は、購入した時点の価値が最も高く、時間の経過と共に価値が下がっているということです。

こうした価値が減少していく固定資産については、「減価償却」という方法で費用を計上することになっています。減価償却は「物品の取得のためにかかったお金を一度に費用とするのではなく、収益を得るために利用した期間に応じて費用計上するのが望ましい」という「費用収益対応の原則」の考え方から成り立っている方法です。

例えば、ある企業が500万円で耐用年数5年の乗用車を購入したとしましょう。購入に掛かった費用は、購入した年に全て費用にするのではなく、耐用年数で分割して徐々に費用として計上していきます。

この車の耐用年数は5年ですから、会計上は1年間に100万円づつ費用を計上し、5年かけて乗用車を購入したことにするわけです。このような会計方法を減価償却と言います。

もし、固定資産の保有にかかった金額を減価償却せず一度に費用を計上すると、購入した年の利益だけが大幅に減少してしまいます。逆にその翌年には購入費がかからないので計算上は大きな利益が出たように見えてしまいます。

減価償却には、固定資産にかかった金額を耐用年数に応じて分散することで、実際の企業利益とは異なる結果が出ることを防いでくれる働きがあるのです。

さて、「固定資産」と「減価償却」について理解できたらあとは簡単です。

つまり、固定資産台帳とは、現在保有する固定資産が、元々はいくらで購入したもので、現在いくらの減価償却額になっているのかという経緯を記録しておくための帳簿なのです。

固定資産台帳を作成することは、会計処理が正しく行われているかを確認し、税金計算をスムーズに行うためにも役立てます。最初は少しややこしい計算もありますが、事業で成功するためには欠かせない帳簿ですのでしっかりと書き方を学んでおきましょう。

固定資産台帳の書き方(項目別)

固定資産台帳は税金計算にも係る正式な帳簿です。

しかし、実は国に定められた一定の様式が無く、ルールに則って自分で表を作成しなければなりません。正式なフォーマットが無いため、紙に書いても、エクセルで作成しても、会計ソフトを使っていても構いません。そのため、最初は何を書いて良いのか分からずに悩む方も多いでしょう。

そこで、ここでは固定資産台帳に記載する項目をひとつづつ詳しく解説していきます。固定資産台帳には、記載しておきたい項目がいくつもあります。

ただし、以下に紹介する項目を全て記載しなければならないというわけではなく、自分のもつ固定資産の管理に必要な項目だけを選んでかまいません。固定資産台帳の書き方に関して国に定められたフォーマットがないため、正しく減価償却計算を行ってさえいれば、固定資産台帳はわりと自由に作成できます。

固定資産台帳を作成するためのコツは、見やすく解りやすい表にすることです。減価償却を行う資産の管理をするために必要な帳簿であることを念頭に入れておきましょう。

固定資産台帳に記載すべき項目

1.資産区分

減価償却を行う資産の区分を記載します。「建物」「機械装置」「車両」など、その固定資産がどのようなものであるかを解りやすく書いておきましょう。

2.耐用年数

固定資産の耐用年数を記載します。耐用年数は自由に決めてよいものではなく、国によって定められた年数に従わなくてはなりません。全ての耐用年数は国税庁のホームページなどから確認でき、事務所用建物なら24年、一般車両なら4年、というように細かく指定されています。

3.償却方法

減価償却には「定額法」と「定率法」の2種類があります。定額法は「減価償却費=取得価額×償却率」で計算され、定率法は

「減価償却費=未償却残高(取得価額-償却累計額)×償却率」

で計算されます。どちらを選ぶかは場合によって選ぶことができますが、それぞれ異なったメリット・デメリットがあるため慎重に選択しましょう。

4.資産名称

固定資産の名称をつけておきます。区分にある「建物」「車両」といった書き方だけでは、同じ区分にある別の固定資産との区別がつきません。そのため車両なら「営業用車両 車種:日産 NV100クリッパー」といった形で、後で区別がつきやすいように名称を記載しておきましょう。

5.設置場所

車両や機械装置などの移動可能な固定資産なら、どの場所に置いておくのかを書いておきましょう。「第一営業部署」のように設置場所を書いておくことで、後々実地確認がスムーズにできるようになります。実地確認は盗難や紛失が無いかを確認するために必要な仕事です。

6.管理部署

固定資産を管理している部署を記録しておきます。ほとんどの場合はその固定資産を使用している部署名でOKです。管理部署を決めておくことで、保管された固定資産の管理がスムーズになります。

7.資産の個数

全く同じ名称と使用目的の固定資産がある場合は、購入した資産の個数を記録しておきましょう。車両やパソコンといった固定資産は、社員の人数分同じモデルのものを購入するということもあると思います。

全く同じ物品だと区分や資産名称だけでは区別できなくなるため、まとめて複数購入したことを記録しておくわけです。個数を記録しておけば、その中のひとつだけが故障した、売却したなどの処理をするときにも間違いが起きにくくなります。

8.取得年月日

減価償却では、取得年月日が使用開始日として扱われます。取得年月日は今後の会計処理の根拠となるだけでなく、資産の買い替え時期を検討する時の目安としても役立ちます。耐用年数の計算には欠かせない項目なので忘れないように記載しておきましょう。

9.取得金額

固定資産をいくらの金額で購入したのかを記録しておきます。取得金額は今後の減価償却の基礎となる金額です。

10.期首簿価

機首帳簿価格のことです。前年度の未償却残高を記録しておきます。固定資産を購入した初年度に関しては、取得金額がそのまま記載されます。

11.減価償却累計額

間接法で減価償却を行った場合に減価償却費を計上するための勘定項目です。

「固定資産の取得価額=固定資産の帳簿価額+減価償却累計額」

で計算されます。

12.期末簿価

期末帳簿価格のことです。期末時点での未償却残高を記録しておきます。

13.当期減価償却費

当期の決算でいくらの金額が減価償却されたのかを記載します。減価償却費は「定額法」もしくは「定率法」によって国が定める耐用年数に則って計算されます。

14.特別償却費

法人税特別措置法などに基づき、通常の減価償却費以上の超過償却を計上することを特別償却といいます。特別償却を行った場合のみ、その償却費用金額を記載しておきましょう。

15.固定資産管理番号

固定資産を管理しやすいように番号をつけておきます。管理番号をつけておくと、実地確認がスムーズになります。

16.摘要

その固定資産に関する備考欄のようなものです。特筆しておきたいことがあれば後から確認できるように書いておきましょう。

固定資産台帳を書く目的

固定資産台帳を作成には、大きく分けると「資産管理」「税務処理」「会計処理」の3つの目的があります。

大きな企業ほど、保有する固定資産の量は増えていきます。建物や土地が失くなることはありませんが、車両や機械装置などは盗難や紛失の被害にあうこともあります。

こうした被害を抑えるためには、全ての固定資産をしっかりと管理しておく必要があるのです。固定資産台帳にひとつひとつの資産を記録しておくことは、資産管理にとても有効なのです。定期的に固定資産台帳の情報が正しいかを実地確認していくことで、行方の分からない資産の発生を抑えます。

また、最も重要な目的のひとつが税務処理です。特定の固定資産には税金がかかりますが、減価償却を行うことでかかる税金を減らすことができます。正しく減価償却を行うことは、節税に大きな効果をもたらすのです。固定資産台帳は、そうした減価償却の経緯を記録するためには欠かせない帳簿です。

最後に、固定資産台帳の会計上の役割について。事業を始めるためにはいくつかの帳簿を作成しなければなりません。事業内容によっても必要な帳簿が異なりますが、代表的なのは賃借対照表や損益計算書ですね。これらの帳簿はほとんどの事業主さんが作成しているはずです。

しかし、賃借対照表や損益計算書のフォーマットでは、固定資産の内訳が見えてきません。「建物」や「車両運搬具」とだけ記載されているので、それがどういった目的で購入し、どのような価値をもった固定資産なのかが分からないのです。

しかし、固定資産台帳さえあれば、一部の帳簿からだけでは見えてこなかった詳細を確認することができます。固定資産台帳には、他の帳簿の内容が正しいかどうかを確認するために算定根拠を示す働きがあるのです。

固定資産台帳の閲覧制度とは

固定資産台帳の閲覧制度とは、自分の土地・家屋の評価額などを記載した固定資産課税台帳を見ることです。日本の各市町村は、納税義務者の求めに応じて本人の固定資産に関する事項が記載されている部分、またはその写しを閲覧させなければならないという義務を負っています。

また、本人でなくても借地人が借家の評価額を確認するなどの理由で閲覧が認められます。固定資産台帳の閲覧制度の他にも、「縦覧」という制度があります。縦覧台帳には自分以外にも他の全ての土地・家屋の評価額が記載されており、公開期間中(毎年4月1日~4月20日または最初の納期限の日のいずれか遅い日以後の日まで)なら自由に見ることができます。

なぜ、固定資産台帳の閲覧・縦覧の制度があるのかというと、自分の固定資産と他人の固定資産の評価額を見比べ、自分の固定資産の評価額が公正であるかを判断するためです。他と比べて評価額に不服がある場合には、評価額に誤りがあるとして審査の申し出を行うこともできます。

固定資産台帳の閲覧は一年中いつでも行えますが、縦覧の公開期間以外であれば有料の証明書を発行してもらう形になります。縦覧が出来るのは公開期間中のみです。日本中どこの市区町村でも固定資産台帳の閲覧は行えますが、証明書の発行手続きや料金には若干の違いがあります。詳しくは各自治体の資産税課窓口へお問い合わせください。

固定資産台帳のおすすめテンプレート

固定資産台帳の作成には、国に定められた一定の様式がありません。

つまり、固定資産台帳はフォーマットから自分で考えて作成する必要があるのです。事業内容によっても必要な項目が異なるため、長く使える分かりやすい固定資産台帳を考えなければなりません。

しかし、最初はどんな項目が必要になるのかも解らないという方がほとんどだと思います。そこで初めて固定資産台帳を作成する方には、インターネットサイトからダウンロードできる固定資産台帳のテンプレートを使用することをおすすめします。

さまざまなサイトが、無料でダウンロードできる固定資産台帳のテンプレートを用意しています。作成者の好みによってフォーマットがそれぞれ異なるため、自分に合ったテンプレートを探すと良いでしょう。

どれを使えば良いか悩んでいるという方には、「経理プラス」というサイトが公開しているテンプレートがおすすめです。

この固定資産台帳テンプレートには、「資産名」「資産の種類」「取得年月日」といった基本的な項目から、「処分見込み価格」といった細かい項目まで設定されているので使いやすいと思います。「特別償却費」などの項目はありませんが、初心者はあまり使わない項目なので気にしなくても良いでしょう。

また、このテンプレートはエクセルで作成されているため、新しい項目を作りたければ簡単に追加することもできます。必要な項目を増やしながら、不必要だと感じた項目を消して、自分なりの固定資産台帳を作成する手助けになるはずです。こちらのテンプレートは無料でダウンロードできますが、パソコンにエクセルやオープンオフィスなどの会計ソフトが入っていればすぐに使えるのでおすすめです。

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