荷造運賃とは?|勘定科目一覧と通信費・運賃荷造費との違い


荷造運賃とは

小売業などの個人事業主は店舗を設置していれば、お客さんがお店に来て商品代金と引き換えに商品を直接渡しますが、オークションで起業している人やネットショップを経営している人は、商品が売れた時に購入者宛に商品を発送するという過程があります。

この時商品をそのまま送ることはほぼなく、大抵の場合は商品を段ボール箱に入れたり発泡スチロールで、梱包して送ることになります。また梱包した商品を、宅配業者などに依頼して配送してもらいますが、配送するための費用も必要となります。このような商品を発送するための梱包費用や配送費用は、「荷造運賃」という勘定科目を使用して経費として処理をします。

荷造運賃はその名の通り、荷造にかかる費用と配送にかかる運賃となりますが、不良品などの理由により返品された場合の引取費用も荷造運賃に含まれます。

荷造に必要なガムテープやエアクッションなどは、1つの商品を発送する時に使う量は少量ですから、その都度使用量を計るのは大変ですしあまり現実的ではありません。

ほとんどの場合は、ガムテープを一本購入して少しずつ使います。また使用の目的が一般的に梱包に限られるエアクッションなどはまとめて購入した時に「荷造運賃」として処理をすればいいですが、のりや両面テープなどのように荷造以外の用途でも使うものについては、消耗品費として計上する場合もあります。

商品の発送とは少し種別が違いますが、個人事業主がオフィスを移転する場合に、引越し業者に支払われる費用についても、荷造運賃で処理されることがあります。

引越し業者に支払う費用は、雑費、支払手数料、荷造運送費といった勘定科目を使うことができ、どの科目を使っても税金の額には影響しないので事業主に判断が任されますが、金額が多い場合は雑費などにまとめずに、荷造運賃や独立した科目を別途作られることが多いです。

荷造運賃の例

荷造費用

荷造費用は文字通り、荷造をするために使用される備品などのことを意味しています。商品を入れる箱やポリ袋・ビニール袋、包装紙、結束バンド、箱や袋に封をするために使うガムテープやビニールテープ、のり、両面テープなども荷造費用です。

商品が壊れないように、緩衝材として発泡スチロールやエアクッションを使うこともあります。こういった消耗品はまとめて購入した時に、購入費用として「荷造運賃」や「消耗品費」として計上されていることもあります。

また配送業者に商品を大切に扱ってもらうために、段ボールに貼り付ける「われもの注意」や「取扱注意」といった荷札を貼り付けることがありますが、この荷札も荷造費用として仕訳します。荷造梱包を外部の業者に依頼する場合には、その依頼費用も荷造費用として認められます。

発送費用

発送費用は、郵便局で定形外郵便やゆうパックにかかる郵送費や封筒に貼り付ける切手、クロネコヤマトや佐川急便などに配送を手配する際にかかる宅配便料金、バイク便などが含まれます。

トラックや鉄道、船舶、航空を使って配送する場合はその運賃がかかりますし、配送先が国内ではなく海外の場合では、輸出する場合には国によって様々な手数料が発生することがありますから、これも輸出関係手数料として発送費用に含めることができます。

荷造運賃の勘定科目

荷造運賃の勘定科目は、「販売費及び一般管理費」内にある「荷造運賃」です。段ボールやエアクッションなどの梱包材料については「消耗品費」で処理しても問題はありませんし、「荷造運賃」の勘定科目を使うこともできます。

荷造運賃の勘定科目には、荷造に必要な梱包材の費用以外に、荷造のために他者へ依頼した場合の人件費、配達のために使ったガソリン代なども含まれますが、これらを配達の都度区分するのは面倒なので、人件費は「給料手当」、梱包材は「消耗品費」というように区分されるのが一般的です。

そのため荷造運賃の勘定科目で仕訳するものは、配送業者や郵送費用などだけになるといったケースもあります。

国内での取引には消費税が必ずかかるため、荷造運賃の消費税区分は課税対象となりますが、海外への商品発送にかかる運賃については輸出取引として扱われるため輸出免税となり、消費税の対象外となりますので注意してください。

荷造運賃の勘定科目が使えるのは「商品」を発送することですが、商品を仕入れる時に発生する運賃については、荷造運賃ではなく、仕入れに関連する費用として「仕入高」の勘定科目に商品代と合算して処理しなければなりません。

ちなみにパソコンやテレビ、事務机・いす、キャビネットなどの減価償却資産を取得するために必要な運送費については、原則減価償却資産の取得価額に含めるので、荷造運賃や仕入高の勘定科目は使いません。

荷造運賃と通信費の違い

商品を購入者に発送する機会が多い事業を経営している人は、発送の時に係る手数料を荷造運賃で仕訳するのか、通信費で仕訳するのか迷うことがあります。通信費と言えば電話代やインターネット接続料などがすぐに思い浮かぶので、ネット販売を事業主体としていない人にとっては、間違えそうな項目ではないように感じますが、通信費にはハガキや手紙を郵送する切手代なども含まれています。

そのため小さな商品を送るにあたって、配送業者に依頼しない郵送で送るようなものについては、荷造運賃で仕訳をすればいいのか、通信費で仕訳すればいいのか迷ってしまうのです。

そこで区別をする一つの方法として、荷造運賃は商品や製品を発送する時にかかる梱包費・発送費用、通信費は商品や製品以外のものを郵送する時にかかる費用と、分けることで混乱しにくくなります。

この方法で区別すれば、商品を送るときは「荷造運賃」、カタログや請求書・納品書などを送る時は「通信費」というように、内容で判断することができますから郵便物・発送物の大きさや配送を依頼する業者によって、どのように仕訳すればいいのかいちいち勘定科目に悩まされる必要がなくなります。

いくつか例をあげてみますので、確認しておきましょう。

例)

  • ネットオークションで出品しているゲーム機が売れた時のために段ボールを購入した…「荷造運賃」
  • ネットオークションで落札されたゲーム機を、段ボールに入れて発送する場合…「荷造運賃」
  • ネットショップで販売しているアクセサリーが売れたので、商品を封筒に入れて発送する場合…「荷造運賃」
  • 不良品などの不都合があり着払いで返品され配送業者に着払い分を支払った場合…「荷造運賃」
  • アクセサリーを購入したお客様から領収証を郵送してほしいと言われた場合…「通信費」
  • カタログを送ってほしいと言われ宅配業者に発送を依頼した場合…「通信費」

しかし、これはあくまでも区別の仕方の一例なので、事業主によっては段ボールで送るような大きな輸送費については荷造運賃、封筒のような小さなものを発送する時は通信費というように使い分けをしている人もいます。

事業主によってルールが多少違っても、荷造運賃の範囲内であれば問題はないのですが、いずれの場合にしても処理の仕訳方を統一しなければなりません。

同じような内容のものを発送しているのに、日によって荷造運賃に仕訳されたり通信費に仕分けられていたりするのはNGです。振り分けをするにあたってルールを決めて、一度決めたルールは変更せずに継続してそれを守らなくてはいけません。

荷造運賃と運賃荷造費の違い

荷造運賃と運賃荷造費は同じ意味なので、違いはありません。これ以外でも「荷造運賃発送費」や「荷造発送費」「発送運賃」「荷造運賃手数料」などと呼ばれることもあります。

運賃荷造費という言葉は、中小企業庁の用語の解説でもでてきますが、その内容は「製造品、商品などの輸送、梱包などに支払った運賃、荷造費の総額」と解説していますから、やはり荷造運賃と同じ意味です。確定申告の際でも「荷造運賃」の勘定科目を使用するため会計ソフトなどで使われている言葉も主に「荷造運賃」となっています。

荷造運賃の仕訳

荷造運賃と通信費の違いで例にあげたものを仕訳する場合には、どのようになるのか見てみましょう。

ネットオークションで出品しているゲーム機が売れた時のために段ボールを現金1,000円で購入した

段ボールの購入費は荷造費用となりますので、勘定科目は「荷造運賃」で仕訳します。
借方/荷造運賃1,000円 貸方/現金1,000円 摘要/梱包用段ボール

ネットオークションで落札されたゲーム機を、段ボールに入れて現金3,000円で運送業者に配送依頼した

商品を配送するための費用なので勘定科目は「荷造運賃」を使用します。
借方/荷造運賃3,000円 貸方/現金3,000円 摘要/商品配送費

ネットショップで販売しているアクセサリーが売れたので、商品をプチプチ付きの封筒に入れて92円の切手を貼って発送した

商品を普通郵便で送ることはあまり考えにくいですが、参考までに。アクセサリーの重さは40gとします。郵便で送りますが商品の発送に係る費用なので、荷造運賃で仕訳します。
借方/荷造運賃92円 貸方/現金92円 摘要/商品郵送費
(切手をまとめて購入していた中から使った場合)

この場合は切手を購入した時にどのような仕訳をしたのかによって変わります。基本的には切手は購入した時ではなく、使用した時に経費として計上しますが、その都度処理をするのは大変なので購入時にまとめて経費で処理することも認められています。

購入時に切手を貯蔵品で仕訳していて、その中から切手を使って郵送した場合

借方/荷造運賃92円 貸方/貯蔵品92円 摘要/商品郵送代切手

不良品などの不都合があり、現金で840円配送業者に支払った

返品された時の配送料も荷造運賃で仕訳します。返品の際は返金処理など他の勘定科目の処理も必要です。
借方/荷造運賃840円 貸方/現金840円

アクセサリーを購入したお客様から領収証を郵送してほしいと言われたので82円切手を貼って郵送した

送る内容物は領収書なので、勘定科目は「通信費」を使います。
借方/通信費82円 貸方/貯蔵品82円 摘要/領収書郵送切手代

カタログを送ってほしいと言われ、宅配業者に現金810円で発送を依頼した

カタログは商品ではないので、宅配業者に依頼するとしても「通信費」で仕訳します。
借方/通信費810円 貸方/現金810円 摘要/カタログ輸送費

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