償却資産税の対象になる資産とは?|計算方法や手続きに必要な書類


償却資産税とは

不動産や自動車などの資産を持っていると、固定資産税や自動車税などの税金が課せられるのと同じように、事業で使用する設備や資産についても「償却資産税」という税金を支払わなければなりません。

償却資産税も固定資産税の一種で、1月1日時点で所有している人に対して、償却資産の価格を元に計算された税額を、その資産がある市町村に納税します。

事業に使用する資産でも、自動車や軽自動車、土地や家屋については個別に税金がかけられているので、重複して支払う必要はありません。償却資産税には対象となるもの・ならないもの、軽減制度や特例もありますので、申告漏れや重複して納税することがないように、しっかりと理解して正しく申告する必要があります。

また前年度に償却資産税の申告をしている場合は、年内に資産を売却していたり、廃棄したりして1/1時点では所有権をもっていない資産についても申告しない限り課税されてしまいますので、12月中に全資産明細書を確認して該当するものがないかしっかりチェックしておきましょう。1/2以降に設備を購入する場合は、購入した物と月が分かるようにしておきましょう。

償却資産税の対象となる資産は?

まず償却資産税は、所得税法・法人税法上で減価償却資産としてみなされる資産が対象となります。これではどういう資産をいうのか、いまいちピンときませんよね。もう少し詳しく業種別に例をあげて説明していきましょう。

対象となる具体的な資産とは

飲食店

接客用の家具や備品・厨房用具・自動販売機・カラオケセット・テレビ・冷蔵庫・製氷機・レジスター・看板・衛生設備など

理容・美容業

理容(美容)椅子・理容(美容)機器・洗面設備・タオル蒸器・テレビ・接客用家具・看板・広告塔など

小売店

商品陳列ケース・陳列棚(台)、自動販売機・冷蔵庫・冷凍庫・レジスターなど

不動産貸付業(駐車場事業含む

アスファルト舗装・塀・門・駐車設備(ターンテーブル含む)・外溝・外灯・緑化設備など

医院・歯科医院

医療機器全般・キャビネット・ソファなど

それぞれの業種で施設内をイメージしてもらうと分かりやすいのですが、事業で使うほとんどのものが対象となるのがわかります。上記はあくまでも一例ですが、これ以外でもパソコンやコピー機など10万円を超え30万円以下のもので一括損金算入したものは全てが対象となります。

ちなみに申告の際に提出する書類に、資産の名称や資産の種類について記入が必要になりますので、各市町村のホームページやパンフレットなどに資産名と種類をまとめた表が用意されていますので、確認しておきましょう。

対象とならないもの

事業に使用する資産であっても前述したように、土地や家屋、自動車などのように他の税金の対象となるものは、償却資産税の課税対象にはなりません。設備によっては家屋として扱われるものもあります。例えば火災報知設備や、便器などの衛生設備、エアコン以外の空調設備は家屋に含まれるため申告の必要がありません。

また資産の耐用年数が1年未満のものや取得した時の価格が10万円未満のものも課税対象になりませんし、20万円未満のものでも3年均等償却をしたものは対象外となります。ちなみに均等償却とは取得した価格を均等に分けて、毎期損金として計上することを言います。

パソコンのソフトウェアや特許権などのように物理的な実態がない資産は償却資産税の対象外となります。また税務上繰延資産として取り扱われる創立費や開業費、商店街のアーケード負担金なども対象外です。これらは会計帳簿に計上されていても対象ではないので注意してください。

償却資産税の計算方法

償却資産税は市町村が下記の計算式に基づいて税額を決定をして、納付書が送られてきます。

償却資産税額=課税標準額(1000円未満切捨て)×税率=税額(100円未満切捨て)

償却資産税額の税率は、市区町村単位で各地方自治体がそれぞれに設定をします。標準的な税率は1.4%なのですが、財政上必要とされる場合は市区町村長により変更となる場合があります。

課税標準額とは、資産1つ1つを耐用年数と減価率で計算して設定される評価額の合計金額のことを言います。評価額の計算式は取得した最初の年度と2年目以降で異なります。

  • 初年度評価額=取得価額×(1-減価率×1/2)
  • 2年目以降評価額=前年度評価額×(1-減価率)

減価率は資産の耐用年数に応じて決められていて、固定資産評価基準別表第15の「耐用年数に応ずる減価率表」で確認をすることができます。

店舗内にあるそれぞれの資産の評価額を出して、その合計が課税標準額となり、税率をかけた金額が償却資産税額となるわけです。

償却資産税の免税点は?

税金は課税標準額が税金別に設定されている一定金額未満の場合には、課税しないことが決められているのですが、その一定金額のことを「免税点」と言います。

償却資産税の免税点は150万円で、すべての評価額の合計金額(課税標準額)が150万円未満の場合は償却資産税が課税されません。課税はされませんが、償却資産税の申告手続きそのものは必要になりますので注意してください。

償却資産税申告に必要な手続き

償却資産税は1月1日時点で償却資産を所有している人が納税者となり、その年の1月31日までに償却資産が所在している市町村に申告しなければなりません。事務所や店舗がいくつかの市町村に点在している場合には、それぞれの市町村に申告が必要となります。償却資産がない場合や課税標準額が150万円未満の場合など、償却資産税が課税されないという場合でも、申告書の提出が必要です。

償却資産税申告の手続きの流れ

1.税事務所に申告書を提出する

償却資産を1月1日時点で所有している人が、税事務所に申告の手続きに行きます。基本的なことですが、償却資産税は市税なので、税務署ではなく「税事務所」に行かなければなりません。申告はeLTAX(地方税ポータルシステム)を利用して行うこともできます。

申告書は、償却資産申告書・種類別明細表(増加資産・全資産用)・種類別明細表(減少資産用)の3種類があり、状況に応じて必要書類を添付して提出します。

2.資産の評価額などの算出が行われる

申告内容に基づいて資産の評価額の計算が行われます。

3.課税評価額の決定される

課税評価額が決定されると課税台帳に登録されます。

4.公示と課税台帳の閲覧・審査申し出・審査請求

課税台帳に登録されたことが公示されます。これ以降課税台帳の閲覧をして、もし登録されている価格に不服がある場合には、納税通知書の交付を受けた日の次の日から3か月以内に固定資産評価審査委員会や市区町村長に対して、審査申し出・審査請求をすることができます。

さらにそれでも解決しない場合は、市区町村を相手取って「価格・課税の取消しを求める訴え」を提訴することも可能です。

5.償却資産税額の算出と納税通知書の交付される

課税台帳に登録された価格に不服申し出がなければ、課税評価額を元に償却資産税額が計算され、納税通知書が納税者の元に送付されます。

6.納税する

市区町村から送られてくる納付書を使用、もしくは口座振替で税金の支払いをします。通常は償却資産税の総額を4回に分けて支払っていきます。

補足

eLTAX(地方税ポータルシステム)で電子申告する場合は、以下のような方法があります。

  • 電算システムで申告データを作成:納税者が使っている電算システムを使って、全所有資産を計算し課税標準額の算出をして申告を行います。
  • 自分で申告データを作成:納税者か代理人が、申告するデータを手入力で作成して申告します。
  • プレ申告データを活用:市区町村などの地方公共団体から送られるプレ申告データを活用することもできます。この場合はプレ申告データが送られてきていないと利用することができません。

償却資産税申告時に必要な書類

はじめて申告をする人

  • 申告する資産がある場合…償却資産申告書、種類別明細書(増加資産・全資産用)
  • 申告する資産がない場合…償却資産申告書

二回目以降の申告

  • 前年度に申告した資産から増えた場合:償却資産申告書、種類別明細書(増加資産・全資産用)
  • 前年度に申告した資産を処分・売却などした場合:償却資産申告書、種類別明細書(減少資産用)
  • 前年度から増えたもの・減ったものが同時にある場合:償却資産申告書、種類別明細書(増加資産・全資産用)、種類別明細書(減少資産用)

事業を廃止・解散した場合

償却資産申告書

軽減制度の適用をする際に必要な書類

非課税

「固定資産税・都市計画税非課税申告書」に認定資料を添付して提出します。

課税標準の特例

「固定資産税・都市計画税の課税標準の特例に係る届出書」に認定資料を添付して提出します。

減免

「固定資産税減免申請書」に認定資料を添付して提出します。

償却資産申込書の書き方

償却資産申告書

  • 所有者欄に、住所・氏名・事業種目・事業開始年月などを記入します。法人になっている場合は氏名欄に会社名と代表者名を記入します。平成28年度からはマイナンバー(法人マイナンバー)の記載が必要になっています。
  • 資産について記入する欄では、資産の種類毎に取得金額と資産を使用する場所などの記入をします。
  • 借用資産はリースしている資産がある場合、有に〇をします。
  • 対象資産を所有していない場合は、右下の備考欄に「該当資産なし」と記入して提出します。
  • 事業を廃業した場合も、右下の備考欄の該当する者に〇をつけ異動年月日を記入します。

種類別明細書(増加資産・全資産用)

1.資産の種類は、下の該当する番号を記入します。
(1.構築物 2.機械及び装置 3.船舶 4.航空機 5.車両及び運搬具 5.工具、器具及び備品)

2.資産の名称等は、「パソコン」や「ソファ」「舗装路面」など資産そのものの名前を記入し、数量、取得年月、取得価格を記入します。

3.耐用年数は、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」に定められている資産ごとの耐用年数を記入します。会計ソフトを使う場合は、「即時償却」を選択しない本来の対応年数を記載します。

4.増加事由は、下の該当する数字に〇をつけます。
(1.新品取得 2.中古品取得 3.移動による受け入れ 4.その他)

種類別明細書(減少資産用)

    この用紙は前年度に申告した資産の中で、売却したり廃棄したりして資産が減った場合にのみ記入が必要になります。

  • 資産の種類は増加資産・全資産用の明細書と同じものを適用して記入します。
  • 減少の事由は、下に該当する数字に〇をつけます。(1.売却 2.滅失 3.移動 4.その他)

償却資産税の納付期限は?

償却資産税は市町村で納税額が決定されたあと納付書が送られてきます。その納付書を使って納税をしますが、通常は年に4回に分けて納付をします。都道府県によって納付月が異なる場合もありますが、東京都の場合は6月・9月・12月・翌年2月になっていて末日が期限です。初回1回目に4回分まとめて支払うことも可能ですし、口座振替を利用することも可能です。

償却資産税の申告漏れが起きた場合はどうなるのか

申告漏れに気付いた場合は、市町村に訂正申告をすれば税額の是正をしてもらうことができます。長い間申告していなかった場合の対応は市区町村によって異なり、さかのぼって徴収するところもあれば申告年度からの徴収でいいところもあるようです。

しかし法律上、正当な理由なく申告しなかった場合は、地方税法第386条の規定によって、過料を科せられることもありますし、虚偽の申告をした場合には、地方税法第385条の規定により懲役もしくは罰金を科せられることもありますので、注意してください。

償却資産税の軽減制度について

軽減制度は「非課税」「課税標準の特例」「減免」の3つがあり、摘要を受ける場合は必要書類を郵送か窓口で提出する必要があります。それぞれの適用条件は以下の通りです。

1.非課税

償却資産税が非課税となる資産は、地方税法第348条、附則第14条に定められていて主なものには、宗教法人や学校法人が設置する保育・教育用の固定資産や、生活保護施設や児童福祉施設などの社会福祉法人が事業に使用する固定資産などがあります。

2.課税標準の特例

課税標準の特例が受けられる資産は、地方税法第349条の3、附則第15条、15条の2と3で定められていて、税負担の軽減を受けられます。主な資産には汚水処理施設やごみ処理施設などの公害防止施設、再生可能エネルギー発電設備、ノンフロン冷蔵・冷凍機器などがあげられます。

再生可能エネルギー発電施設は、太陽光発電設備であれば「再生可能エネルギー事業者支援事業費にかかる補助」を受けて取得したものが対象となります。

3.減免

市区町村ごとの条例に基づいて、優遇制度や減免制度が定められていますので、施設条件にういては所轄の市区町村役場で確認をしてみてください。

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