確定申告での雑所得の扱いとは|雑所得の例・計算方法・税額について


雑所得とは

雑所得とは

雑所得とは、所得税法で規定された所得の種類の一つです。所得税では、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得の10種類の所得があります。

所得税法35条で、雑所得とは「利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得のいずれにも該当しない所得」と規定されています。

雑所得というと、「雑」という文字から、誤解を招く可能性があります。雑所得は、「雑」な所得という意味ではなく、他の所得に該当しない所得のことです。雑所得という言葉は、英語のMiscellaneous Incomeを直訳したため、「雑所得」になったのではないかと思います。雑所得というよりは、「その他の所得」といった方が適切かもしれません。

雑所得の例

雑所得の具体例は、以下の通りです。公的年金等以外は、その所得が本業であれば、事業所得に区分され、雑所得にはなりません。例えば、ITフリーランスの方が、片手間で雑誌に寄稿した原稿料は雑所得になります。ただしブロガーとして、その事業を本業として行っている場合は、原稿料は事業所得となります。

  • 公的年金
  • アフィリエイトでの収入
  • インターネットオークションの収入
  • 原稿料
  • 印税
  • 講演料
  • FX取引等による所得
  • 外貨建預貯金の為替差益

雑所得の代表は公的年金ですが、ITフリーランスの方にはあまり関係ないのではないかと思います。ITフリーランスの方で関係する雑所得は、アフィリエイトの収入、IT関連記事の執筆料、外貨取引による差益等になると思います。公的年金以外の収入の取り扱いを中心に、雑所得の基本的な取り扱いについて説明します。

雑所得の計算方法と税額

雑所得の計算方法

雑所得の計算方法は、公的年金と公的年金以外の収入で異なります。公的年金については、収入金額から公的年金等控除額を差し引いて所得を計算します。公的年金等控除額は、受給者の年齢や公的年金の収入金額に応じて規定されています。

公的年金以外の収入については、収入金額から必要経費を差し引いて、雑所得を算出します。雑収入を得るために支出した経費で、社会的通念上合理的とみなされるものが必要経費となります。

雑所得に対する税額

雑所得の金額は、給与所得・事業所得等の他の所得の金額と合計して総所得金額を求めた後、納める税額を計算します。

所得税は、累進課税制度で、所得が高いほど税率が高く設定されています。所得金額に応じて、税率が5%から45%まで7段階あります。以下が所得金額による、税額表です。所得金額に対して税率をかけ、控除額を差し引いて税額を算出します。

例えば所得金額が1,000万円の場合は、
[1,000万円x33% – 1,536,000円=1,764,000円]
が納税額になります。

①195万円以下:所得金額x5%
②195万円超330万円以下:所得金額x10% – 97,500円
③330万円超695万円以下:所得金額x20%- 427,500円
④695万円超900万円以下:所得金額x23% – 636,000円
⑤900万円を超1,800万円以下:所得金額x33% – 1,536,000円
⑥1,800万円超4,000万円以下:所得金額x40% – 2,796,000円
⑦4,000万円超:所得金額x45% – 4,796,000円

住民税

上記の所得税額に、地方税である住民税の10%が雑所得に課されます。住民税は、所得金額に関係なく一律10%の税率が適用されます。所得税・住民税を合計すると税率は、15%から55%になります。所得税の申告を行うと、そのデータが市町村に送られるため、所得税の申告を行えば、住民税の申告は一般的には不要です。

確定申告での雑所得の扱い

一年間の雑所得の金額が20万円を超えると、その雑所得は、確定申告する必要があります。確定申告では、雑所得の金額を個別に計算した後、給与所得・事業所得等の雑所得以外の所得と総合して、総所得金額を計算します。総所得金額に応じて、前述の式で税額を算出します。

後述しますが、雑所得がマイナスになっても、他の所得と相殺することはできません。FX取引で損失がでても、他の所得とは相殺することはできません。

1:雑所得が20万円以上の場合の扱い

雑所得が年間20万以上になると、確定申告をする必要があります。
[利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得]
と合計して課税所得を計算し、税額を計算します。

[不動産所得、事業所得、譲渡所得、山林所得]がマイナスの場合は、雑所得との損益通算(利益と損失を相殺すること)が可能ですので、雑所得の税金が少なくなる可能性があります。

2:雑所得が20万円以下の場合の扱い

雑所得が20万円以下の場合は、申告する必要がありません。申告する必要がないため、納税も不要です。申告する必要がないので、申告してももちろん問題がありません。原稿料等で源泉徴収され、税率が10.21%より低ければ、雑所得の合計が20万円以下であっても、申告してもよいかもしれません。

雑所得において経費として計上できるもの

雑所得を得るために直接かかった経費については、必要経費として、控除の対象になります。必要経費は、社会通念上合理的とみなされるものが対象になります。例えば、雑所得として講演料をもらった場合、講演するための交通費は必要経費になります。

必要経費については、できるだけ領収書等の証憑をきちんと保管してください。為替取引による収益も、為替取引に必要な経費については、必要経費として雑収入から差し引くことが可能です。

確定申告で雑所得は損益通算できるのか

損失が生じた場合に、損益通算の対象となる所得は、
①不動産所得
②事業所得
③譲渡所得
④山林所得
の4つです。

したがって、雑所得がマイナスになっても、その他の損益通算をすることはできません。

ただし、
①不動産所得
②事業所得
③譲渡所得
④山林所得
の損失と、雑所得の所得を損益通算することは可能です。
例えば、事業所得の損失と雑所得を損益通算することは、一般的には可能です。

雑所得の源泉徴収とは

源泉徴収の対象となる雑所得は、公的年金・原稿料・講演料・利息等があります。

公的年金等

公的年金等については、源泉徴収が行われます。源泉徴収金額は、公的年金等を受け取る人の年齢や金額によって異なります。

原稿料・講演料

原稿料・講演料については、源泉税の対象になります。1回の支払金額が100万円以下であれば、10.21%の源泉税が課せられます。1回の支払金額が100万円を超えると、100万円を超える部分は20.42%で、100万円以下の部分は10.21%です。源泉徴収は、税金の前払いですので、確定申告で源泉徴収された金額が還付させる可能性があります。

金融商品による収益

為替取引においては、一般的に源泉徴収の対象にはなりません。ただし、定期積金の給付補てん金や抵当証券の利息等の金融類似商品の収益については、雑所得になります。

ただ、金融商品として、支払の際に一律20.315%の税率で源泉徴収が行われます。これらの所得については、源泉分離課税が適用されますので、確定申告を行うことはできません。

雑所得より事業所得として申告した方が節税できるのか

雑所得と事業所得の区分方法

雑所得は、他の所得に該当しない所得です。事業所得は、事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得です。雑所得と事業所得を選択する余地はありません。雑所得と事業所得の区分が難しいこともあるかと思います。

事業所得の判断は、営利性・有償性・継続性・反復性等によるものといわれています。平たく言うと、本気でその事業を行っていれば事業所得となり、片手間で小遣い稼ぎを行っていれば雑所得になります。

雑所得より事業所得として申告した方が節税できるのか

雑所得と事業所得のどちらが節税できるかは、その方の所得金額等によって異なります。ただ、一般的には雑所得が年間20万円以下の場合は、申告する必要がないため、雑所得として取り扱った方が有利です。

雑所得が年間20万円を超えると、最大65万円の青色申告特別控除や損益通算を適用できるため、事業所得の方が有利になるケースが多いです。ただ、雑所得と事業所得で、税務上の有利・不利により選択することはできません。

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