「定款変更」に費用はかかるのか?|書き方と必要な書類・手続き


定款変更で費用はかかるのか

定款とは何なのか

定款(ていかん)という言葉は、一般にはそれほど多く耳にする言葉ではないかと思われます。

しかし、世の中に約360万社ほどある株式会社が例外なく一度は作成したことがある書類です。そして、主に登記手続きに関連して変更が必要となる時があります。

定款とは、会社の最高ランクの決まりのことをいいます。会社法務や法律専門書などでは、よく「会社の根本規則が定款である」などと表現されます。とはいえ、会社の根本規則という表現では、まだ抽象的ですので、ピンとこないかもしれません。

定款には、例えば、以下のようなことを記載されています。

  • 第1条(商号)当会社は○○株式会社と称する
  • 第2条(目的)当会社は、次の事業を行うことを目的とする。1IT機器の作成販売2その他前項に関連する一切の業務
  • 第14条(機関)当会社の取締役の人数は3名以上5名以下とする
  • 第32条(事業年度)当会社の事業年度は4月1日から3月31日を1事業年度とする

以上のような定款の具体的規定をご覧いただければ、定款が会社の根本規則という意味がお分かりいただけるはずです。

定款は法律に違反した内容でない限り、会社で最高ランクのルールとして通用します。このようにして会社のあり方を定めた最高ランクの決まりが定款です。なお、一般には就業規則の方が目にされることが多いと存じますが、就業規則は会社の労働者のための決まりであり、定款とは全く違うものとなります。

定款変更に費用はかかるのか

定款変更に費用がかかるのかということに関しましては、「定款変更自体には費用はかからないが、登記や事実上の手間、あるいは、司法書士・行政書士への報酬という意味で完全に費用がかからないということはあまり考えられない」ということになります。ややあいまいな言い方ですので、少し詳しく説明させていただきます。

まず、定款変更の方法としては、社内で株主総会の特別決議(特別決議の具体的な決議方法は後述します)をすることで、変更をすることができます。

会社法の第466条が
株式会社は、その成立後、株主総会の決議によって、定款を変更することができる。
と規定し、同じく会社法第309条第2項が、定款変更には、株主総会において後述の特別決議をすることを定めているためです。つまり、定款変更するだけであれば、会社内で株主総会を開き、特別決議という決議をすることで可能となるということです。

この株主総会を開いて特別決議をするという手続きは、誤解を恐れないイメージで言えば、小学校で学級会を開催して多数決を取るというイメージです。株主というメンバーが集まって多数決が通れば定款変更ができるということです。

そして、この手続き自体には1円もお金はかかりません。そのため、「定款変更自体に費用はかかるか」といえば、「定款変更自体にはかからない」というのが端的な回答となります。このように定款変更自体には費用はかかりません。

とはいえ、定款変更に1円もかけないということは、事実上は考えにくいというのが現実です。例えば、取締役会を設置している会社である場合には、株主に株主総会の招集通知を発送しなければなりません。この招集通知の発送に費用がかかります。

また定款に書いたことは、すべて登記をしなければならないというわけではありません。(正確に言えば、会社法第911条第3項等で登記をするように定められていること以外は登記をすることができません。例えば、会社の事業年度は、定款で定めるのが通常ですが、事業年度は登記することが定められていないので、登記することは不可能です。事業年度変更の登記を申請をしても、必ず却下されます)

しかし、わざわざ登記をする必要もないのに株主総会という会議を開いて定款を変更するということは、極めて実益が少ないこととなります。登記申請が必要なので「仕方なく」定款変更をするというのが多くの会社の実情です。

そのため、登記申請の前提として定款変更をするということになれば、必然的に株主総会議事録をはじめ平成27年商業登記規則改正で必要となった株主リストの作成など登記申請の前提となる数々の書類(いわゆる添付書類)の作成は、司法書士や行政書士に依頼することになります。

そして、登記申請代理は司法書士に依頼することになります。そのため、これら専門家への依頼費用が生じます。そして、登記申請をすれば、申請の際に国税として登録免許税を納付することになります。定款変更に伴う登録免許税は一律には言えませんが(詳しくは登録免許税法別表を参照することになります)1件3万円となるものが多い傾向です。

このように定款変更それ自体は無料ですが、通知などの費用、行政書士や司法書士といった専門家への報酬、登記の際の登録免許税等で事実上は費用がかかるということになります。

定款変更に登記は必要?

では、次に定款変更と登記との関係についてまとめていきます。

先ほど述べましたように定款で定めた事項がすべて登記申請の対象となるわけではありません。株式会社であれば会社法911条第3項に定められた項目に変更があった場合に登記申請をするというのが会社法のルールです。

ただ、定款で定めた事項は多くが登記すべき事項(登記事項)と重複します。

例えば、会社の商号(会社の名前、社名のことです)は定款に必ず書いておかなければならない事項であると同時に、登記しなければならない登記事項でもあります。そのため、商号変更の定款変更をした場合には登記する必要が生じるということになります。

一方で、定款で定めるべき事項ですが登記事項とされていないものもあります。例えば、先ほどもあげましたが会社の事業年度は登記事項ではないので登記申請することはできず、申請すれば、商業登記法第24条第2号の「申請が登記すべき事項以外の事項の登記を目的とするとき」に該当してしまい、却下されます。事業年度は定時株主総会の開催時期に影響するなど会社経営上は極めて重要ですが、登記することは不可能です。

逆に、定款では定めないものの、登記申請は必要というものもあります。代表的なものが募集株式の発行の登記(いわゆる増資の登記)です。

会社が増資した場合には、登記事項である資本金の額が変化します。しかし、資本金の額は、一般的には定款には定めない事項です(定款に定めても違法というわけではありませんが、1円でも増資や減資のをする度に、これらの手続きに加えて定款変更の手続きもしなければならないため、余計に手間がかかってしまうためメリットはありません。)

このように、定款記載事項が登記事項となっているものについて変更があったときには、登記申請が必要となりますが、定款の記載事項でも登記事項となっていないものについては登記は不要であるとまとめることができます。

なお、株式会社の場合、基本的に登記事項の変更が生じてから、2週間以内に登記申請をしなければ、代表取締役の方個人が100万円以下の過料に処せられます。(会社法第976条。「この法律の規定による登記をすることを怠ったとき」にあたってしまいます)。

登記については、専門家である司法書士と顧問契約ないしは司法書士との継続的な提携(お付き合い)をしておくことが極めて重要といえます。

定款変更するときの手続き

次に定款変更の手続きですが、基本的には上述させていただいたように、株主総会の特別決議をとれば、それで終了です。法律の理論的には株主総会したという事実があれば、その証拠となる株主総会議事録の作成も不要です。ただ、現実的には登記申請や後日のトラブル防止のために、株主総会議事録を作成するのが通常です。

さて、定款変更は、株主総会の特別決議で行うことになっていますが、実は、例外的に取締役会(取締役の決定)で可能なケースもいくつかあります。例えば、単元株式という制度を廃止する場合には、株主総会を開かず、取締役会で単元株式数の廃止を決定して定款変更をすることができます。

また、株式分割と発行可能株式総数の変更という手続きを会社法第184条のルールに従って変更するときも株主総会が不要です。一方で、「取得条項付き株式の変更」という手続きをするときには、すべての株主が同意しなければ定款変更ができません。

このように定款変更はすべてが株主総会というわけではなく、経営陣(取締役会や取締役の決定)で可能なケースや、逆に株主の全員一致でなければならないケースなど極めて多様になっています。

定款変更の手続きは、行政書士と司法書士(特に司法書士)は、きわめて詳しい知識を持っています。これらの専門家に相談などをしてトラブルのない手続きとすることが法務面の安定経営では重要です。

定款変更する時に必要な書類

定款変更に必要な書類について、ここですべてのケースを網羅することは不可能ですが、専門家(司法書士)に依頼せず会社で定款変更をされる場合には一般的には以下2点の書類が必要となります。

1:株主総会議事録(特別決議の要件を満たしている記載があるもの)
2:株主リスト(基本的に議決権の上位10人)

株主リストは、平成27年商業登記規則改正によって、株主総会決議の偽装を防止するなどのために新設された制度です。

この2点は、ほとんどの定款変更に必須です。そのため、この2点を軸としてほかに何が必要かということを調べられるなどをすれば、自社で定款変更やそれに伴う登記を処理することも不可能ではないと言えます。

定款変更時の株主総会議事録の書き方

定款変更に際して、ほとんどのケースで必要となる株主総会議事録は、書籍やインターネットでいわゆる「ひな形」をベースに作成されるのが簡便でおすすめできます。

ただ、必ず書かなければならない項目が2つほどあります。また定款変更の場合には決議要件も注意が必要です。

1:株主総会の開催の日時と場所
2:議事の経過の要領とその結果
3:特別決議があったこと

1と2の2点が書かれていない株主総会議事録は会社法施行規則第72条第3項違反で、株主総会議事録と認められません。また3が満たされていない場合には、定款変更決議が否決されたということになってしまいますので、定款変更ができないという証拠になってしまいます。

この3点を基本として、手続きごとに調べる、専門家に相談されるなどが望ましいと言えます。

商号変更する場合の書き方

以下では、株主総会議事録における一般的な定款変更の決議の記載方法とその関連知識について、いくつかまとめていきますのでご参照いただければ幸いです。

まずは商号変更です。

第1号議案商号変更の件議長は、創立記念日の6月7日をもって、定款第1条の商号を「株式会社〇×」に変更することの可否を議場に諮ったところ、満場一致をもって承認可決をした

商号変更とは、いわゆる社名の変更です。

多くの会社において、社名には創業者の方などのさまざまな思いがおありになる場合が多く、変更は慎重になられるのが一般的です。また、社名について、風水や易などを参考にされる場合も多いようです。法律的には商号については以下の点が重要なポイントとなります。

まず、商号は、会社のご判断によって自由に決めることができるのが原則です。実際に行われている事業内容と商号がまったく関係がなくとも問題はありません。例えば、

ホームページの作成事業をされていながら、会社名を、「株式会社○○書店」などまったく事業内容と関係がない名前にすることも可能です。

その一方で、文字には使用制限もあります。使用することができる文字は、ひらがな・カタカナ・漢字・ローマ字・アラビア数字です。その他の文字(例えばα(アルファ)やβ(ベータ))などは使用できません。

また、ローマ字は認められますが、ローマ数字は使用できません。例えば「ⅠⅡⅢ株式会社」などの数字は使用することができません。

さらに、社名に読み仮名をつけることもできません。例えば「123(ひふみ)株式会社」などという社名は不可となります。「ひふみ」の部分が、社名の一部なのか、読み方なのかが不明となってしまうためです。

商号の使用に関して、比較的最近、大きな影響があった変更が「支部」の使用を認める先例変更です(平成20年7月16日の民商1678回答)です。

平成20年までは、「支部」という表現を使用することができませんでしたが、支部といっても、極めて広い活動を行っている法人もあるとともに、一般法人法の制定という背景もあり、支部を法人の名称に入れても却下されないこととなりました。

なお、商号変更を登記申請する場合、会社の規模などに関係なく1件で3万円となります。

事業目的変更する場合の書き方

第2号議案目的変更の件議長は、事業拡大に伴い、当会社の目的を下記のとおり変更することの可否を議場に諮ったところ、満場一致で可決承認した
1:IT機器の製造販売
2:家庭用電化製品の製造販売
3:その他前号に附帯する一切の事業

事業目的は、会社が行うことができる行動(事業活動)をはっきりさせるという意味があります。例えば、事業目的を「IT機器の販売」とだけ定款で定めて登記している

会社が、不動産賃貸事業を行えば、明らかに事業目的とは異なりますので、法律的に無効となります。

とはいえ、一般的に他人が見ることがない定款の目的の記載方法によって、法律的に無効か有効かということが変わってしまっては、経済取引が破綻してしまいますので、定款の目的の設定や変更の際には、最後に「その他前号に附帯する一切の事業」と入れるのが、いわば「当然」となっています。

この「その他前号に附帯する一切の事業」と入れることで、ほとんどすべての事業が何らかの関係があるとして、有効として取り扱われます。

万が一、会社の定款に、この一文がない場合には、定款変更をして登記も変える必要性が高いと言えます。なお、事業目的の中には、法律で目的とすることが禁止されているものもあります。

まず、「司法書士の業務」「行政書士の業務」「弁理士の業務」を会社の事業目的とすることは禁止です。これらは、資格を得た個人が行うものであり、会社が行うものではないためです。

また、「債権の取立て」を会社の目的とすることはできません。債権の取立ては、紛争性がある法律事務が内容となっており、紛争がある法律事務は、弁護士と一定の司法書士(認定司法書士)以外が行うことは、弁護士法第72条に違反するため不適法な会社の目的となるためです。

これら以外にも、新規性すぎて(事業内容が新しすぎて)一般的に定着していないために、一般人に理解が困難という目的も、認められません。

どのようなケースが理解困難となるかということは、ケースバイケースになります。技術的な業務内容であるほど一般的には理解困難とされやすい傾向があるとも考えられています。

ただ、少し前のものとなりますが平成14年の時点で「OA機器、LAN工事」は、事業目的として認められていますので(平成14年10月7日民商2365課長通知)一般的なシステムエンジニアの業務などであれば、目的として認められないことは少ないと考えられます。

目的の変更の陶器を申請する場合には、登録免許税は会社の規模等にかかわらず、3万円となっています。

住所変更する場合の書き方

「第3号議案本店移転の件議長は、販売経路の変更に伴い、当社の本店を5月1日をもって、福島県いわき市に移転することの可否を議場に諮ったところ、満場一致で可決承認した」

会社の場合、住所のことは、本店と呼びます。

本店は定款では最小行政区画(市区町村と東京23区)までを定めて、それ以下の具体的な本店所在場所は取締役会(取締役会をおいていない会社では取締役の決定)で定めるのが一般的です。

そのようにしなければ、同じ市内で本店を隣のビルに移しただけでも、定款変更のために株主総会を開き特別決議をしなければならないため、極めて不便となってしまうためです。そのため、定款では市区町村(あるいは23区)まで定めて、その範囲を超えて本店移転をする場合に定款変更が必要となるのが一般的です。

また、本店を移転する場合には、事実上の費用と手間(本店移転の作業)に加えて、登記の費用も高くなりがちな点にも注意が必要です。つまり、本店を他の行政区画(他の市区町村や23区)に移す場合には、旧本店所在地用と新本店所在地用に登記を2件申請しなければならず、最低でも、6万円の登録免許税がかかります。また、支店を設けている会社の場合には、支店でも登記をしなければならず、支店の数によって登録免許税が変わってきます。

役員変更する場合の書き方

第4号議案取締役変更の件議長は、取締役Aが平成29年6月30日開催の定時総会の終結時をもって任期満了退任するので、その後任者を選任する必要がある旨を述べ、後任者としてBを取締役に選任することを議場に諮ったところ、満場異議なくこれを承認可決した。なお、被選任者は、即時就任を承諾した

役員は一般的には定款に記載しないのが通常なので、定款変更手続きは不要であり、登記申請用となることが多くなります。しかし、商業登記において、登記申請の件数がもっとも多いのが役員変更の登記です。

役員とは、会社法では、取締役、監査役、会計参与の3者を意味します。そして、原則として、取締役と会計参与は2年、監査役は4年で任期満了となり、再度株主総会で選任する必要があります。

選任にあたっては同じ方を同一役職に再選する(重任)も全く問題はありませんが、重任として登記申請はしなければなりません。(なお、登記申請書の書きぶりは冬期の事由(タイトル)に「取締役の変更」などと書き、登記内容(登記すべき事項)には「平成29年6月30日取締役A重任」といった具合となります)

役員については、会社法第2条第5項の「公開会社」ではない会社(定款に「株式の譲渡制限に関する規定」として、すべての株式について第三者に譲渡するには会社の承認を必要定めている会社をいいます。イメージとしては上場会社以外の会社が公開会社ではない会社です)は定款で定めることで役員の任期を選任後10年以内に終結する事業年度に関する定時総会の終結の時までとすることができます。この定款変更をすれば、役員変更登記の義務や費用の負担が大幅に減ることになります。

ただ、あまりに長い任期を定めることで、経営陣の新陳代謝が10年行われないことで経営のマンネリ化やワンマン経営を助長し、会社経営の危機感がうすれて、ひいては経営の悪化を招くという危険も指摘されているため、定款で任期を伸長するとしても5年程度が妥当と言えます。

役員変更登記についての登録免許税は、資本金が1億円以下の会社であれば、何人の変更でも1回で申請する限りは1万円です。一方で資本金が1億円を超える会社の場合には3万円となります。また、もし、定款で役員を定めた場合に役員変更をするとすれば、定款変更分3万円と役員変更分1万円(または3万円)となります。

事業年度を変更する場合の書き方

第5号議案事業年度変更の件議長は、事業年度に関する定款の定めを「毎年10月1日から翌年9月30日までとする」に変更し、最初の事業年度は「平成29年4月1日から平成30年9月30日」までに変更することの可否を議場に諮ったところ、満場一致をもって可決確定した

事業年度の変更は、変更の結果、既存の役員の任期が終了してしまう結果を生じさせる時があります。この時には、当然役員変更の登記申請が必要となりますので、事業年度の変更の際には役員の任期計算と再就任(あるいは改選)の内諾、登記申請の費用等の準備が必要です。

定款変更する時の株主総会での決議方法

最後に定款変更の株主総会決議決議方法について具体例も交えてまとめます。

まず、定款変更の基本となる特別決議です。

特別決議とは「当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(会社法309条第2項、括弧書きは省略)」の賛成により可決する決議のことをいいます。

例えば、X社において発行済み株式総数は1200株で、株主構成はAが650株、Bが250株、Cが150株、D100株、Eが50株保有しているという場合、特別決議が成立するためには少なくとも、601個以上の議決権を持つ株主が出席しなければなりません。

そのため、Aが出席すれば、それだけで定足数は満たします。しかし、Aが出席せず、B、C、D、Eが出席しても、550株にしかなりませんので、特別決議は絶対に成立しないということになります。

また、可決には出席した議決権の3分の2の賛成が必要です。そのため、A、B、C、D、Eが全員出席した場合、667個の議決権の賛成が必要ですので、Aだけが賛成しても特別決議は否決になります。

このように、定款変更のための特別決議は要件が厳しく設定されており、約7割の賛成が必要となるため、満場一致となるように根回しなどをしておくことが後のトラブル防止などのためにもとても重要となります。

次に、定款変更に関して、特別決議よりも要件が厳しい特殊決議と呼ばれる決議があります。

特殊決議とは「当該株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上であって、当該株主の議決権の三分の二(会社法309条第3項、括弧書きは省略)

の賛成により可決する決議のことをいいます。

例えば上記のX社において特殊決議が成立するためには、A、B、C、D、Eのうち3人以上が賛成して、かつ、667個以上の議決権の賛成が必要です。そのため、A、Bが賛成をして900個議決権の賛成があったとしても、2名しか賛成しておらず、3名以上という条件を満たしていないため、特殊決議は否決されたということになります。単に議決権数だけではなく、頭数の賛成も要求するのが特殊決議です。

特殊決議は特別決議以上に可決要件が厳しいため、必要な場面は限られています。特殊決議が要求される一例として挙げられるのが、例えば、定款を変更して株式の譲渡制限に関する規定を設定する場面です。

株式の譲渡制限に関する規定を設定するというのは、上場会社が上場をやめるというというようなケースです。

この場合には、株主の持っている株式を第三者に譲渡する時に、会社の承認が必要な状況になってしまいますので、株式の価値は著しく低下してしまい、株主が被る経済的な不利益は甚大となります。

そのため、このような場合には特殊決議が必要となり、定款変更が極めて難しく、株主強く保護されている状態となります。その他、組織再編行為(M&A)の場合にも、特殊決議が必要となるケースがあります。

さらに、前述しましたが、すべての株主の同意がなければ定款変更ができないケースがあります。それは株式に取得条項というものを設定する場合です(取得条項付き株式)取得条項付き株式は、会社の決議によって、株主の株式が強制的に会社に取り上げられてしまうという株式です。

これは、万が一の経営再建などのことを考えて、分散している株式を一気に回収するために設定する株式のいわば「オプション」なのですが、株主にとっては用意には認めることはできないものです。

そのため、すべての株主が同意して初めて株式に取得条項を設定することができるということになっています。このように定款変更は、特別決議、特殊決議、株主全員の同意などが必要になります。

そして登記申請をする場合には、特別決議、特殊決議、株主全員の同意があったことを証明するため株主総会議事録(あるいは株主全員の同意書)を添付することになりますので、しっかりと株主決議を得た上で、その旨が記載された適法な株主総会議事録作成の必要があるといえます

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