準委任契約のメリット・デメリットと注意点|派遣・請負契約との違い


準委任契約とは

フリーランスとして働かれる事となった場合もこれからフリーランスとして働く場合も、報酬を得ていくにあたっては様々な方法で仕事を受注されるかと思います。そんな、仕事の受注方法の一つに「準委任契約」というものがあります。準委任契約とは、業務委託の種類の一つであり、「請負契約」と「委任契約」の2つのうち「委任契約」に属するものです。

では、委任契約と準委任契約にはどのような違いがあるのかというお話になりますが、そもそも委任契約の意味について再確認も兼ねて理解する必要があります。委任契約という言葉を一度は聞いたことがある方もいらっしゃるかと思いますので、そう無関係ではないように思えます。

しかしながら、「事務処理などを誰かに委任にするもの」という事は間違いありませんが、よく勘違いされがちなのが、「委任契約はとっても身近で誰でも結ぶことのできる契約」という解釈です。実は、この解釈は間違いです。「委任契約」とは「法律関連の事務を委託する事」であり、職業としては税理士や弁護士、司法書士などの専門の方が契約できるものなのです。

確かに、日常的に「私は彼に委任した」といったニュアンスの話を聞いたりすることもありますが、委任契約という事については法律事務を委託することと覚えておきましょう。

では、準委任契約のお話に戻りますが、委任契約に対する準委任契約の意味合いは上記まででお気づきかと思いますが、「法律事務以外の関する事以外を委託する事」です。

つまり、フリーランスの方がクライアントから仕事を受注するときに結ぶのは委任契約ではなく、準委任契約という事になるのです。

準委任契約の契約書には印紙が必要?

さて、いざ仕事の受注を受け、準委任契約を結ぶとなった場合に必要なのが「契約書」ですが、契約書に付いて回るのが「収入印紙」の存在です。収入印紙は日ごろの生活の中でも目にしたこともあるかもしれませんが、逆に「変わった切手」くらいの認識しかない方もいらっしゃるかもしれません。

そもそも収入印紙とは、単なる納税だけを目的しているのではなく、「この文書を作成する事で何らかの利益が発生してる上に、その文書が法的な効力を持つことになるから、多少の税負担をしてくださいね。」といった理由から、様々な書類には収入印紙の貼付が義務付けられているのです。

では、れっきとした契約という取引である準委任契約に、収入印紙が必要かどうかといったお話をさせていただきたいと思いますが、結論から申し上げますと「収入印紙が必要かどうかは、契約内容次第」という答えになります。
まず、準委任契約は印紙税法の上では「7号文書」というものに該当し、印紙税額は「4000円」となります。

尚、フリーランスの方が行うと想定される以下のような準委託契約の場合においては、契約書に印紙を貼る必要があるとされています。

・継続して3か月以上継続して取引をするという内容である場合
・3か月以内であっても、契約更新の内容が記載されているもの
・物の売買に関連する業務

正確にはもっと細かな定めがされていますが、フリーランスの方の理解を早めるために代表的なものを抜粋しました。

つまり、上記に該当しない契約内容であった場合は、収入印紙の貼付は不要になるのですが、一例を挙げるとするなら「社内システムの保守業務を1か月だけ受注する」という内容の契約書であれば、どれにも該当しませんので、収入印紙は不要となります。

準委任契約と派遣契約の違い

簡単に準委任契約についてお話させていただきましたが、ここからはよく似た契約形態との違いについてお話させていただきます。まずは、準委任契約と派遣契約の違いについてです。上記までのとおり、準委任契約は「法律関連以外の業務の委託する契約」ですが、対する派遣契約とは「クライアントの仕事を受注している派遣会社と雇用契約を結ぶこと」です。

つまり、雇用関係にあるかどうかという違いが主な違いとなります。また、もう一つ大きな違いとして「指揮命令権がどこにあるか」といった事です。指揮命令権とは、簡単に申し上げるなら「こういう仕事を、このように、いつまでに行ってください」といった、所謂業務上の指示です。尚、派遣契約の指揮命令権は、クライアントではなく雇用関係にある派遣会社側にあります。

では、準委任契約はどうかというと、準委任契約においてはクライアント側に指揮命令権はなく、仕事を受注した側にあります。つまり、準委任契約は自分の自由に仕事をして良いという事になるのですが、これは何も仕事を怠けても良いという事ではなく、命令を受ける事がないという事ですから、せっかく受注した仕事は命令や指示がなくともしっかり行いましょう。

準委任契約と請負契約の違い

では続いて、請負契約との違いについてお話させていただきます。この、請負契約も何となく耳にしたことがある名前かもしれませんが、準委任契約とは明確な違いがあります。

まず、請負契約を簡単にご説明させていただくと「受注した仕事をやりきって、成果物を確実に納品する事で報酬が発生する契約」です。ここで、「仕事をするってことでは、同じ意味なのでは?」と思われるかもしれませんが、分かりやすく噛み砕いて申し上げるなら、以下のように言い換える事もできます。

「この仕事をやらなきゃいけないんだけど、代わりにお願いします」
→準委任契約

「この仕事やってもらって、結果をちゃんと持ってきてくれたら報酬を与えます」
→請負契約

かなりラフな言い方ですので、「厳密には違う!」と言う方もいらっしゃるかもしれませんが、まずは違いを把握するためという事でご理解いただければと思います。

また、この準委任契約と請負契約にはもう一つ大きな違いあります。それは、派遣契約との違いでも述べたのと似た内容になりますが、「準委任契約には完成責任と瑕疵担保責任がない、請負契約にはどちらの責任もある」ということです。

まず、完成責任についてですが、言うまでもなく請負契約は「仕事を行って完成したものを納品して報酬が得られる」というものですから、まずは仕事を完成、完了をさせる必要があり、それを完成責任と呼びます。

では、「何かこのホームページ、動きが凄く重いけど、作ったのは間違いないからこのまま納品しちゃえ!」という事で請負契約どおり責任を果たしたかというと、これも明らかにNGです。

ここに瑕疵担保責任が登場するわけですが、瑕疵とは「欠陥や不備」のことを指し、欠陥品を納品したのであればその責任を負うまでを仕事としているのが瑕疵担保責任のある請負契約なのです。

つまり、「欠陥の無い仕事を完成させて納品する」という事が請負契約なのですが、仕事を受注するのですから当然と言えば当然の内容とも言えます。ただ、ここまでのお話ですと、まるで準委任契約は何ら責任を負う必要がないように思えますが、それは違います。準委任契約にも果たさなければいけない義務があり、それが「善管注意義務」というものです。

請負契約のように、結果を求められる契約ではないとはいえ「普通に考えて、この仕事するならここまでやるし、こんな事を注意するはず」というレベルでの仕事が求められるのです。準委任契約も請負契約も仕事を受注するという事においては同じですから、身勝手、且つ適当な仕事を行って良いという事には決してならないという事は言うまでもありません。

準委任契約のメリット・デメリット

それでは、準委任契約にはどんなメリットやデメリットがあるのか、主なポイントを見てみましょう。

準委任契約のメリット

・瑕疵担保責任がない。
・必ずしも結果や成果を出さなければいけないという事はない。
・コンスタントに仕事を受注する事も可能。
・様々な仕事を行う事ができる

準委任契約のデメリット

・受注できる仕事が常にあるとは限らない。
・契約の性質上、継続的に仕事を行えるとも限らない。
・仕事内容の変更や更新の権利はクライアント側に任せるしかない。

上記までは、あくまでフリーランスの方が準委任契約を結んだと想定した場合のメリットデメリットですが、クライアント側にしてみると、あなたのデメリットがメリットであるという事もあります。

もし、仕事を受注されるのであれば、上記のようなメリットを存分に享受しつつ、デメリットをメリットに変えられるようなスタンスでいる事が大事だと言えるでしょう。

準委任契約は再委託できるのか

では今度は、自身が仕事を依頼する側として考えた場合の注意事項についてお話させていただきます。フリーランスの方がもし準委任契約で何か仕事の依頼をするのであれば、「この人に任せたい!」という判断から契約を結ぶというのが一般的なところかと思います。

実は、ここに準委任契約の「再委託の禁止」というルールが関わってきます。
再委託の禁止とは、クライアントA社がBに対して準委任契約により仕事を依頼したという事は、その技量があると判断したからこそであり、それにも関わらずCという別の者に仕事を依頼することはできないというものです。

ただし、この再委託の禁止については、あくまで「相手に無断で再委託してはいいけない」という範囲であるため、準委託契約を結ぶ際に再委託をする旨の記載があれば、再委託は可能です。

契約を結び際の注意点

ここまで、準委任契約の内容についてお話させていただきましたが、上記までのまとめとして、いざ準委任契約を結ぶこととなった場合の主な注意点を改めて確認しておきましょう。

準委任契約であることが間違いないか

自分が準委任契約として仕事をしていたら、実は請負契約で納期が目前だったなどということがないように、内容はしっかり確認してから契約しましょう。

契約期間やどの範囲までの業務を行うのかといった内容

この点はクライアントとの擦り合わせは必須と言えます。業務内容が自分の思っていた内容より広範囲になってしまい、明らかに単価の安い仕事になってしまったという事にならないよう気を付ける必要があります。

報酬金額や報酬金額の支払日や方法

フリーランスとして働き始めたとするなら、最初は報酬をしっかり確保していく事が重要です。思っていた報酬金額と違うですとか、報酬の支払いが数か月先で資金難に陥るといった事がないようにしましょう。

再委託を可能とするかどうか

せっかく仕事を受注したからといって安心してはいけません。クライアントはより安価でクオリティの高い委託先を探したいと思っています。再委託が可能な契約となるのかどうかもしっかり確認しておきましょう。

機密保持、個人情報、損害賠償等の法的責任について

仕事を発注する、または受注するという事においては様々な注意が必要となりますが、特に情報の漏洩などによる法的責任をお互いに追う必要があるという事は認識する必要があります。

クライアント側は受注者の個人情報を不用意に扱わないようにする必要があり、仕事を受注する側においてはクライアントの機密情報を漏らしてしまう事のないように注意する必要があります。万一そういった事故が起きた場合にどのように対処するかといった内容は契約書には必ず記載しますので、確認し忘れないように注意しましょう。

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