白色申告に必要な提出書類一覧と注意点|雑所得と事業所得の違い


個人事業主の白色申告に必要な提出書類一覧

企業に勤務している人の場合は、年に一度年末調整があり手続きそのものは書類を書くだけなのでさほど難しいことはありませんが、個人事業主の場合は自分で税務署に行って確定申告の手続きをしなければなりません。

個人事業主が確定申告をする際、青色申告と白色申告という2種類の方法で申告をするわけですが、青色申告は経理に関して専門的な知識が必要となるため、税理士や会計士などの専門家に依頼するか、会計ソフトを使わなければなりません。

それほど事業の規模も大きくなく経理についての知識もあまりない場合は、必要書類も少なく手続きが比較的簡単な白色申告を選んでいる人も多いのではないでしょうか。しかし白色申告でも以前は、年収300万円未満であれば記帳などもしなくてよかったのですが、平成26年1月からは白色申告をする人も記帳と帳簿保管が義務化されました。

現時点で白色申告をする際の必要書類は、確定申告B・各種控除関係の書類・収支内訳書の3種類が必要となっています。白色申告をする場合でも、日頃から帳簿を付けておかなければ確定申告間近に処理に追われることになってしまいますから、それぞれの必要書類についてしっかりと理解しておきましょう。

また平成29年3月15日までに提出する2016年度分の確定申告からは、マイナンバーの記載が必要となっています。マイナンバーカードを持っている人は、確定申告書類の添付書類台紙にコピーを貼り付けて提出する必要があります。

マイナンバーカードを持っていない人は、通知カードのコピーと本人確認書類のコピーが必要となっています。通知カードを紛失した場合は、市区町村の役所で再発行の手続きが必要となっています。個人事業主の場合毎年申告をしなければなりませんから、これを機にマイナンバーカードを発行しておきましょう。

1:確定申告書B

白色申告の必要書類の一つである確定申告書Bは、国税庁のウェブサイトにある「確定申告書、青色申告決算書、収支内訳書等」のページにあるPDFをダウンロードして印刷をして入手できます。この確定申告書Bは、どのような方法で所得を得たのかは関係なく誰でも使用することができる書類で、第一表・第二表・添付書類台紙が2枚の合計4枚で構成されています。

第一表

第一表には収入金額・所得金額・所得から差し引かれる金額・税金の計算などを記入する欄があります。

●基本情報

まず最初に一番上の欄に氏名、住所などの基本的な事業主の情報を記入します。生年月日の欄の数字は「明治:1/大正:2/昭和:3/平成:4」から該当するものを最初に記入します。個人番号という欄にはマイナンバーカードか通知カードに記載されている12ケタの数字を記入します。印鑑は全て書き終わったら間違いないかを確認して最後に押印しましょう。

●収入金額等

一年間の収入の金額について記入をします。農業や不動産、利子などで利益を得た場合はそれぞれ該当する部分に記入しますが、収入が事業のみの場合は事業の営業等という欄に金額を記入します。個人事業主の場合は、収入とは経費などを引く前の収益そのものの金額のことを言います。

●所得金額

所得の欄も同じように農業や不動産などで利益を得た場合は該当箇所に金額を記入し、ない場合は事業の営業等という欄と合計の部分だけ金額を記載します。収入と違って所得は、一年間で売り上げた金額から必要経費を差し引いた金額のことです。所得金額の合計に記入する金額は、所得欄に記入した金額の合計金額で、所得税や住民税などを計算する際に使われます。

●所得から差し引かれる金額

様々な控除について該当するところに金額を記入していきます。

・雑損控除…自然現象や人為的な災害、盗難などで損害を受けた場合の控除で損失額によって控除額が変わります。

・医療費控除…自分や家族が病院などに支払った医療費が一定額以上の金額の場合に控除される金額です。計算方法は「支払った医療費-保険金-10万円(年間所得200万円未満の場合は総所得の5%)=医療費控除額」となります。

・社会保険料控除…国民健康保険や国民年金を支払った場合の控除額で支払った金額全額を記入します。

・小規模企業共済等掛金控除…共済契約・個人型年金・心身障碍者扶養共済制度に支払った掛金を全額記入します。

・生命保険料控除…加入している生命保険や介護医療保険料、個人年金保険料に支払った保険料で最高12万円まで控除を受けることができます。

・地震保険料控除…加入している地震保険に支払った保険料で最高5万円まで控除を受けることができます。

・寄付金控除…寄附(ふるさと納税を含む)を行った場合に特定寄附金から2,000円を差し引いた金額を記入します。

・寡婦・寡夫控除…シングルマザーやシングルファザーが受けられる控除で基本的に27万円(もしくは35万円)の控除が受けられます。

・勤労学生、障害者控除…勤労学生の場合受けられる控除で、金額は27万円です。納税者や控除対象の配偶者、扶養家族が障害者に該当する場合は一人につき27万円の控除を受けられます。

・配偶者(特別)控除…控除対象になる配偶者がいる場合は38万円(配偶者が70歳以上の場合は48万円)控除を受けられます。配偶者が38万円以上の所得を得ている場合はその所得金額に応じて受けられる控除額を記入します。

・扶養控除…控除対象の扶養家族がいる場合は基本的に38万円の控除を受けることができます。

・基礎控除…申告する人全員に適用される控除で38万円を記入します。

・合計金額…控除額の合計金額を記入します。控除額の合計金額も税額の計算で使用されます。

●税金の計算

・課税される所得金額の計算は、「所得金額の合計」から「所得から差し引かれる金額の合計」を差し引いた金額を記入します。

・上の㉖に対する税額又は第三表の86の計算は、金額に応じて所得税の税率をかけた金額を記入します

・復興特別所得税額…2013年~2037年までの間、所得税と合わせて復興特別所得税額も納付が必要です。計算方法はその年分の基準所得税額に2.1%をかけた金額を記入します

・所得税及び復興特別所得税の額…所得税と復興特別所得税の合計金額を記入します。

●その他、延納の届出

該当するものがあれば記入します。

●還付される税金の受取場所

還付される税金がある場合のみ記入します。

第二表

●基本情報

住所や氏名(もしくは屋号)などの基本情報を記入します。

●所得の内訳

所得の種類や取引先ごとに記入していきます。個人事業主やフリーランスなどで取引先が多く書ききれない場合は「所得の内訳表」という用紙に全て記入して添付します。

●雑所得

公的年金以外で得た雑所得や配当所得、譲渡所得などがある場合は記入します。

●特例適用条文等

課税に関して特例を受ける場合は、該当する条文を記入します。

●所得から差し引かれる金額に関する事項

第一表に記入した控除額で該当するものを記入していきます。

●事業専従者に関する事項

家族に給与を支払っている場合は、ここに記入します。支払っていない場合は何も記入しません。

●住民税・事業税に関する事項

扶養家族がいる場合や、特例を受ける場合など該当するものを記入します。

添付書類台紙

本人確認書類などの必要書類をこの用紙に貼り付けて提出します。

2:各種控除関係の書類

生命保険や医療保険に加入していると、年末あたりに控除関係の書類が送られてきます。確定申告の時に提出しなければならない必要書類なので大事に保存しておきましょう。また住宅ローンを支払っている場合も控除の対象になります。企業で勤務した経験がある人は、会社で年末調整の時に提出していた必要書類をそのまま個人事業の白色申告でも提出することになります。

3:収支内訳書

収支内訳書は、一年間の売上や収入と経費などの合計をまとめて記載する書類2枚で構成されている必要書類です。

●基本事項

住所や氏名など基本的な情報を記入します。

●収入金額

確定申告をする1年度分の収入金額の合計を記入します。

●売上原価

・期首商品棚卸高…年度初めに存在した在庫を記入します。

・仕入金額…1年度分の仕入れに使った金額を記入します。

・期末商品棚卸高…年度末に残っている在庫を記入します。

計算方法:「期首商品棚卸高」+「仕入金額」-「期末商品棚卸高」=売上原価になります。

●経費

家族以外の人に給料を支払った場合は「給料賃金」の欄に年間の金額を記入します。

●専業専従者控除

家族に給料を支払った場合に金額を記入します。

●給料賃金の内訳

雇用している従業員の名前や年齢、年間の給与額などを記入していきます。金額が大きい人から順番に書きます。

●税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳

税理士や弁護士などに委任した場合は、支払った報酬や費用と源泉徴収した金額を記入します。

●専業専従者の氏名等

家族に給料を支払っている場合は、氏名や年齢、続柄などを記入します。

●売上(収入)金額の明細

取引先の名前や住所、年間の収入金額を記入します。取引金額が大きいところから記入していきます。

●仕入金額の明細

仕入先の名前や住所、仕入金額などを記入します。

●減価償却費の計算

減価償却資産があったら記入します。

●地代家賃の内訳

家賃や駐車場代など賃貸借契約をしている場合は、支払先の不動産会社や大家の氏名・住所などを記入します。

●利子割引料の内訳

銀行等の融資以外に、事業資金を借り入れていて利息を支払っている場合は、支払っている相手の氏名・住所・期末の借入金額などを記入します。

●本年中における特殊事項

いわゆる備考欄のようなもので、今年だけ発生した事柄などで記載しておくことがあれば記入します。特になにもなければ記入は必要ありません。

白色申告を行う時のポイント

確定申告の提出は2/16~3/15ですが、白色申告も記帳や帳簿の保存が義務付けられましたから、日頃から何かと帳簿を付けるクセをつけておきましょう。確定申告直前になって全てを帳簿にまとめるのは本当に大変な労力が必要になりますし、記憶をたどらなくてはなりませんから長い時間が経過していると記憶が曖昧になり、正確な申告をすることができません。

各種領収書なども5年間保存する義務がありますので、領収書をもらうクセ・保存するファイルなどを用意しておくと確定申告前に必要書類をかき集めるなどの手間がかかりません。

また以前は、白色申告は手続きが比較的簡単だったので、メリットも大きかったのですが今は青色申告に比べたら少しだけ手続が簡略化されているだけという程度なので、会計ソフトを使うなどして青色申告に切り替えた方がメリットは大きいので、検討してみるのもいいかもしれません。

青色申告に切り替える場合には、事前に申請書などの必要書類を提出しておかなければなりませんから、税務署で確定申告の時に相談してみてくださいね。

白色申告における雑所得と事業所得の境界線

白色申告においても雑所得と事業所得は、明確に区別できる判断基準はありません。そのため会社で勤務者として仕事をしている人が、副業で収入を得た場合には、基本的には雑所得として申告をしますが、本業の給料よりも副業の方が収益を得ている場合などは、事業所得として申告するのが適当と言えます。

一般的な考え方としては、生計を支えているかどうか、またその収入を継続的に得ているかどうかといったことを、判断基準にされます。明確にいくら以上の収入はこっちといった基準があれば分かりやすいですが、今のところはありませんので自分で判断をするしかありません。

どちらにした方が得か?という点についても大きな差があるわけではありませんが、企業に勤めている人の場合は事業所得で申告すると給与所得と事業所得を合算した所得から経費を引けるので、副業が赤字の場合には事業所得にした方が節税になる場合もあります。どちらで申告をする方が適切かどうかを知りたい場合は、税務署に相談してみてください。

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