フリーランスは失業保険を受給できる?|受給期間・受給の対象者とは


失業保険とは

フリーランスとして働く事となった場合、若しくは一念発起してフリーランスとしての働き方などを検討する場合、すぐにでも収入となる仕事があれば良いのですが、そうではなければ、貯金を切り崩しながら受注できる仕事を探していくといった事もあるかもしれません。

さすがに、仕事が貰えるかどうかの見通しが無いにも関わらずいきなり会社を退職してフリーランスデビューされる方も少ないでしょう。とはいえ、ほとんどの方がそれまで勤めていた会社を辞めてフリーランスとしてデビューされるというケースが多いかと考えられます。

そこで、今回のテーマとなる「失業保険」というものについて考えておく必要があります。失業保険とは、本来の正式な名称で言うと「雇用保険」の一般的な呼称であり、「雇用保険に加入していれば失業給付金を受給できる」という仕組みから失業保険という風に呼ばれているのではないかと推測されます。よって、以下からは一般的に知られた通称である失業保険としてご説明をさせていただきます。

失業保険の受給額

さて、失業保険とは何かといった点からになりますが、分かりやすく説明すると、「会社を辞めてからの生活を維持するために受給できる手当」という事になります。

この失業保険の手当てを「基本手当」と言います。基本手当を受給するための保険料はどのように支払うかという点ですが、これは会社から貰う給与から天引きになっていたはずで、保険料率は従業員が負担するのは総支給額の5%になります。

では、いざ会社を辞める事となった場合に、どのくらいの基本手当がどういった形で支払われえるかという点ですが、これは離職となった理由や会社員として働いていた期間、貰っていた給与額、給付を受ける年齢によって違いが出てきます。そもそも、失業保険は上記でお話させていただいた基本手当以外にも「就職促進給付」「教育訓練給付」「雇用継続給付」といったものに分かれており、今回のテーマとなるのは基本手当をメインとした話となります。

この、基本手当で貰える額はいくらになるかというと、年齢が大きく関係します。厚生労働省職業安定局のホームページを参照すると、受給額には年齢によってそれぞれ上限があり、以下のような区別となっています。

・30歳未満:6,370円
・30歳以上45歳未満:7,075円
・45歳以上60歳未満:7,775円
・60歳以上65歳未満:6,687円

参考:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」

この受給上限額ですが、上限額という限りはこの額が満額で貰えるというわけではなく、以下の計算式によって求められます。

離職前の6カ月間の給与÷180日=賃金日額(A)
(A)×所定の給付率=基本手当日額

尚、上記の計算式で記載している「所定の給付率」は厚生労働省によって毎年変更がありますので確認が必要です。また、給付が決定したとしても、その日にすぐさま受給されるわけではなく、待期期間や給付制限期間というものを経て、ようやく指定の銀行へ振り込まれます。ただ、この基本手当もいつまでも永久的に貰えるわけではありません。

失業保険の受給期間

やはり、失業手当は就職を支援するものですから、ある程度の期間内までで受給できる期間は終了となります。一般的な離職者であれば最短で90日となりますが、10年以上失業保険に加入していたなら120日、20年以上となると150日間となります。

つまり、最長で5カ月程度は受給できるという事になります。この、一般的な離職者というのは「自己都合による退社」と考えていただいて差し支えありませんが、もし離職の理由が解雇、倒産などという自分ではどうにもできない事情だった場合はまた期間に違いがあります。

年齢、失業保険の加入期間により違いがありますので、詳しくはハローワークのホームページにて確認してみましょう。

参考:ハローワークインターネットサービス「Q4. 雇用保険の基本手当は、どのくらいの期間、受給できるのですか。」

失業保険の対象者は?

失業保険が誰でも同じように適用されるかというとそうではありません。基本手当を受給する資格を得るには一定の要件がある上、資格や給付の別も様々に分かれています。

ただ、今回のお話の前提である会社員の方がフリーランスに転身するというオーソドックスなパターン考えると、「一般受給資格者」「特定受給資格者」という別を覚えていただければ問題ないでしょう。

ではまず、失業保険の加入要件からご説明させていただきます。先ほども申し上げましたとおり、失業保険とはその名のとおり「保険」ですから、いざ基本手当を貰おうと思った時には失業保険に加入していた事実が無くてはいけません。その加入するための条件ですが、さほど難しい事はありません。

・31日以上の雇用見込みがあること。
・1週間の所定労働時間が20時間以上であること。

先にも申し上げておりますが、つまりは、普通に会社員として働いている場合は必ず失業保険に加入する事となっていますので、この条件に当てはまっているか考えるまでもないでしょう。

しかしながら、働きたいときに働ける派遣社員という立場である場合、加入要件を満たしていない場合は本人も気づかぬうちに未加入となっている事もありますので、勤め先に確認した方が良いでしょう。

さて、失業保険には加入しているとなれば、今度は受給資格があるかどうかの確認が必要です。受給資格は以下のようになっています。

  • 失業していること。
  • 離職日より前の2年間に、失業保険への加入期間が通算で12カ月以上あること。
  • 特定受給資格者(解雇や倒産で失業した人)、特定理由離職者(雇用契約の期間が満了して、雇用契約の更新がないことで失業した人)については、失業より前の1年間に、失業保険への加入期間が通算で6カ月以上あること。
  • 管轄のハローワークに求職の申込をしていること。

失業保険の加入要件と比べると少々難しいお話のように思えますが、注意点やポイントを解説させていただきます。

まず、失業している事というのは、単に「仕事辞めました」というだけの事ではありません。仕事をする意思があり、その能力があるにも関わらず休職しても職が見つからないと判断されている状況を指します。

また、失業保険へ加入している事を「被保険者期間」と言いますが、被保険者期間というのは、1か月の間に11日以上働いたかどうかが一つの判断基準となります。つまり、11日以上働いた月が12カ月以上あるかどうか、特定受給資格者、理由離職者についてはそれが6カ月以上あったかどうかというところが重要になります。

フリーランスと失業保険の関係は?

さて、失業保険の基本となるところはご理解いただけたかと思いますが、上記までの話ですと「会社を辞めて次の働き口を探している」という事が前提となっていますので、再就職を望まず、自身でフリーランスとして自立しようと考えている方にとっては無関係なお話ではないかと感じる方もいらっしゃるでしょう。

そもそも、失業保険とは「再就職を支援する制度」が元となっているため、どの団体にも属さずに自身で立派に稼いでいこうという場合は、基本手当が貰えない事は十分に考えられ、むしろほとんどの場合がそうでしょう。

それは受給資格のところにもありました「求職している事」という要件がある事からもお分かりいただけます。特に、フリーランスという個人事業主としての旗揚げをすべく、開業届を出していれば尚更です。

ただ、「再就職手当」といったものが支給されたりする場合もあるようですが、積極的にそれを狙っていくような類のものではないため、ハローワークに相談にいったところで期待ほどの結果にはならないかもしれません。このことは後ほどまた解説させていただきます。

まるで、ここまでのお話を全くの無駄にしてしまうような結論であり、「フリーランスとして働く人は増えているのに、なんて不親切なんだ」と考えるの方もいらっしゃるかもしれませんが、その一方で明るい話題もあります。

政府が創設したフリーランスの失業保険の概要

現状まだ明確に定められているわけではありませんが、日本政府は現在、特定の企業には就職せずに働くフリーランスを支援すべく、以下のような検討を始めています。

  • フリーランスとして仕事が無くなってしまった場合や出産などで働けないといったケースでも、収入の補償が受けられる団体保険の創設する。
  • フリーランス協会に加入した場合においては、上記保険料が5割減となる仕組みにする。
  • フリーランスの契約が不利に傾かないようにガイドラインを作成する。
  • 認定優良事業者制度の制定。
  • 住宅ローンなどを借りやすくする仕組みづくり。

他にも細かく色々な話が進んでいるのですが、日本でも既に1000万人を超えると言われるフリーランスの方にとっては、かなり嬉しい制度になるでしょう。フリーランスという職業は元々、国民健康保険と国民年金くらいしか加入できる制度がありませんので、一つの改革と言えます。

ただし、先ほども申し上げましたが、現在はまだ検討段階であり、来年なのか再来年なのか、それとももっと時間がかかるのかも明確ではありません。しかし、「提言されている」という段階であるという事ですので、過度な期待は禁物とも言えるでしょう。

フリーランスが受けられるその他の手当て一覧

さて、フリーランスの方ですと、なかなか失業保険による基本手当を受給するのは難しいという事なりますが、フリーランスだから何の手当も受けられないという事でもありません。フリーランスと失業保険の関係についてのお話でも少し触れましたが、フリーランスとして受けられる手当には以下のようなものがあります。

再就職手当

少々複雑な部分があるため、まず最初に「再就職手当」についてご説明させていただきます。再就職手当とは簡単に申し上げると「基本手当の受給決定をした人が早めに就職ができたり、何らかの事業を開始したりした場合は一定の手当てを支給しますよ!」という、つまりは早めの就職を促す制度です。

ただし、早めに就職できたらというところにも一定の条件があります。それが以下のようなものです。

  • 全員に適用される待機期間7日を経過してから就職が決まったり、事業を開始した場合。
  • 基本手当の支給日数の残りが3分の1以上残っている。
  • 再就職した企業が、前回離職した会社とは密接な関わりがないこと。
  • 給付制限期間が終了した後の1か月以内においては、ハローワークや職業紹介事業者によって就職したものである事。
  • 1年以上働く見込みがある事。
  • 新たに就職した先で、雇用保険に加入している事。
  • 過去3年以内の就職で、この再就職手当を貰っていない事。
  • 決まった再就職が、基本手当の受給資格の決定前から内定していたものではない事。

上記は、再就職を前提としたものではありますが、フリーランスとして働く事となった場合においてもそのまま通用するものです。

例えば、「1年以上働く見込みがある事」という部分は「1年以上事業を継続する見込みがある事」という具合です。尚、他にも細かな条件があり、どのくらいの受給額になるかといった事もありますので、詳しくはやはりハローワークに確認された方が良いでしょう。

児童手当

そもそも働き方がどうという制限のない手当です。3歳未満の子がいれば一律15,000円、3歳以上小学校修了前までの第1子と第2子までは10,000円(第3子以降は15,000円)、中学生の子がいる場合は一律10,000円という手当が支給されます。

ひとり親世帯の医療費助成制度

これは地域により有無が異なり、制度内容にも違いがありますが、フリーランスの方がもし一人親世帯なのであれば利用できる制度になる可能性が十分にあります。ご自身のお子さんが20歳に達するまでは受け得られる医療費負担を助成してくれる制度ですので、積極的に利用したい制度です。

住宅費助成制度

こちらも地域により有無が違います。ただ、主に東京都にお住まいの方であれば利用できる可能性がありますので、お住いの区役所等に問い合わせてみましょう。

尚、児童扶養手当の限度額を超えていたり、扶養している子が20歳を超えているような場合も支給対象とならないケースがありますので、詳しくはやはり地域の担当部署等に確認してみましょう。

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